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» 2019年04月23日 07時00分 公開

工場や病院、店舗などの“現場”に特化:日本マイクロソフトがオープンする謎の施設? 「X(クロス)インテリジェンス・センター」が生まれた背景 (2/3)

[大河原克行,ITmedia]

建設現場、病院のスタッフ会議――実際に現場で起こった「改革」とは?

 新潟県にある小柳建設は、Mixed Realityを活用し、建設現場の安全性と生産性向上を実現する「Holostruction」を、2017年4月から推進。2018年度から実証実験を開始した。そこでは、従業員がMicrosoft Teamsや「Yammer」、Surfaceと連携させることで、現場と本社の円滑なコミュニケーションを実現。現場に疎外感のない企業文化を作り上げたという。

photo 小柳建設における取り組みの一例(出典:日本マイクロソフト)

 同社は、これらの経験を生かして建設業界全体の現場の働き方改革にも取り組もうと、Holostructionの有償トライアル参加企業の募集を4月18日に開始した。募集期間は5月31日までで、プロジェクト当たりの費用は月額10万円(税別)となっている。トライアルの成果をもとに、年末には正式なサービス提供を開始する予定だ。

 同社の小柳社長は、「Holostructionによって、電話やメール、会議が減り、社内の業務スピードが格段に向上し、社員からも好評だ。建設業界に発生しがちな、現場が孤独になるという状況も解決できた。今後はこれを活用して、建設業界全体の働き方改革に貢献したい。Holostructionによって、格好いい建設業を作り出したい」と話した。

photo Microsoft Teamsを使ってコメントする、小柳建設の小柳卓蔵社長

 また、医療法人鉄蕉会が運営し、千葉県にある亀田メディカルセンターは、病院のスタッフのコミュニケーションにMicrosoft Teamsを活用。PowerAppsやMicrosoft Flowの活用により、業務プロセスのデジタル化や、法人全体の経営状況および各科の業務状況を可視化している。

 同センターの中後 淳CIOは、「医療自体には先端技術が使われている一方、現場のスタッフは今でもPHSを使っているなど、技術的には遅れているというのが正直なところだ。まず特定の診療科がMicrosoft Teamsを活用したところ、情報の共有が一気に進んだ。医師の数が減少したのに、担当できる患者の数は増えたという成果も出ている。そこで活用の幅を広げた。経営状況の可視化により、その対策についても建設的な議論ができるようになった。医療現場はまだ改善することがある。Microsoft 365には、まだ使っていない機能があり、これを使うだけでも業務をさらに改善できると考えている」などと語った。

photo 医療法人鉄蕉会 亀田メディカルセンターの中後淳CIO

 日本マイクロソフトは、2020年に向けた取り組みとして、インダストリーイノベーション、ワークスタイルイノベーション、ライフスタイルイノベーションの3つのイノベーションを提唱。ワークスタイルイノベーションについては、デジタル化が遅れたり、デジタル化から孤立したりしているファーストラインワーカーに対して、新たな働き方の提案を行うなど、「最前線で働く人々」への取り組みを重視しているという。なぜ今、わざわざ「現場の最前線」の改革を打ち出すのか。

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