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» 2019年04月25日 07時00分 公開

国産の囲碁AIは、3カ月以内に“世界の壁”を破れるか? 開発者や棋士が結集、「GLOBIS-AQZ」の挑戦 (1/2)

2015年、Googleの囲碁AI「AlphaGo」が登場した衝撃を、皆さんは覚えているだろうか? それから4年、全世界にひしめく強力なライバルたちを倒す“最強囲碁AI”の開発が日本で始まった。そのタイムリミットは、直近でたった3カ月後だ。

[柴佑佳,ITmedia]
photo (左から)日本棋院 大橋拓文六段、原幸子常務理事、グロービス代表 堀義人氏、囲碁AI「AQ」開発者 山口祐氏、トリプルアイズ代表 福原智氏

 2015年、Googleの囲碁AI「AlphaGo」が登場したときのことを、皆さんは覚えているだろうか? 深層学習を活用したAlphaGoは、人工知能の世界にブレークスルーを起こしただけでなく、囲碁の世界をがらりと変えた。囲碁AIはさまざまな国で爆発的に進化し、若い世代の棋士にとっては、AIを使った対局学習が普通になりつつあるという。いわば人とAIが「人機一体」で戦う時代の到来だ。

 そんな中、AI開発事業と囲碁棋士の育成を手掛けるグロービスは2019年4月、国産の囲碁AI「AQ」をベースにした「GLOBIS-AQZ」で世界一を目指すプロジェクトを発表した。

囲碁AI開発は、F1の開発に匹敵?

photo グロービス代表 堀義人氏

 「囲碁AI開発はかつてのF1開発に匹敵すると考えています」と、グロービス代表の堀義人氏は語る。トヨタやホンダはF1に参戦し、世界企業としのぎを削ることでさまざまなイノベーションを生んだ。同じように、GoogleやFacebook、Tencentなど、世界的なIT企業が囲碁AIの開発を進める現代において、「世界大会への挑戦は経営のイノベーションにつながると考えている」と同氏は話す。

 きっかけは2018年9月、堀氏がTencentの囲碁AI「絶芸」開発チームと面談したことだった。そこで、絶芸が“囲碁の知見をほとんど持たない”開発チームによってAlphaGoの論文をもとに2年で作られたと知り、衝撃を受けたという。

 実はグロービスは、以前から20歳以下の若手棋士を育成していたが、当時の日本には囲碁AIの新規開発プロジェクトが少なかった。

 そこで堀氏は、日本における棋士の育成やAI開発を推進するため、国産囲碁AIの開発を決意。囲碁AI「AQ」開発者の山口祐氏、日本棋院と連携し、トリプルアイズ、産業技術総合研究所、東京大学松尾研究所の協力を得て、世界一を目指す囲碁AI「GLOBIS-AQZ」の開発プロジェクトを発足させた。

 GLOBIS-AQZは、現在は予備実験中で、2019年5月から本格的な強化学習を開始する。2019年8月には、中国、山東省で開催される「2019 中信証券杯 第3回世界電脳囲碁オープン戦」で優勝を目指す予定だ。とはいえ、それは決して簡単なことではない。

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