2019年6月10日、米国でCiscoの年次イベント「Cisco Live US 2019」が開幕した。同社が新製品や新機能発表で明かした「ネットワーク企業以上の存在」としてのスタンスとは何か。
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2019年6月10日(米国時間)、米国カリフォルニア州サンディエゴで、Cisco Systems(以下、Cisco)の年次イベント「Cisco Live US 2019(2019年6月10〜13日)」が開幕した。チャック・ロビンスCEOをはじめ、幹部たちが基調講演やセッションに登壇し、新製品や戦略について明かした内容を現地からお伝えする。
基調講演の序盤、「1989」の文字が会場のディスプレイに現れると、巨大な音が響き渡った。
「ピー、ギョロロロロロロ……ブーンブーン……」
観客席から笑い声が漏れると、ステージに立つロビンスCEOが、にやりとして語りかけた。
「覚えていますか? 今から30年前の1989年、この音が私たちにとっての“ネットワーク”でした」
そう、これは日本でも主に2000年ごろまで使われていたダイヤルアップ接続の音だ。1984年に誕生したCiscoも、かつてはその機器を作っていた。当時は接続に長い時間と手間とコストが必要で、PCをオフラインで使う時間は今よりもずっと長かった。ロビンスCEOは観客に向かって続けた。
「30年後の今、ネットワークの存在意義は変わりました。今やプライベートのやりとりからビジネスまで、ネットワークなしには成立しません。あらゆる組織で、誰もがより良いインフラを必要としています。(中略)彼らの望みをかなえることこそが、Ciscoが目指すイノベーションなのです」
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