企業を支える「巨大な箱」からクラウドへ データウェアハウスの最前線を探るTeradata スティーブン・ブロブストCTOインタビュー(2/4 ページ)

» 2019年06月27日 07時00分 公開
[高木理紗ITmedia]

SQLでもNoSQLでもない「NewSQL」が生まれた背景

――Vantageの構想は、どうやって生まれたのですか。

ブロブスト氏 Vantageの基になった構想は2011年頃から温めていました。それが「NewSQL」プロジェクトです。

 SQL処理は、確かにレポーティングやデータのドリルダウン、ダッシュボード作成といった作業にとって非常に優れた技術です。しかし、データ分析を使った予測や最適化などの目的には合いません。SQL処理はあくまでデータの操作で、「数学的にデータを精錬する」といった処理ができないからです。

 かつてシリコンバレーで、SQL派とNot Only SQL(NoSQL)派に分かれて論争が起きました。NoSQLはApache Hadoop(以下、Hadoop)といった新しい技術を生みましたが、論争自体は不毛な結果に終わりました。NoSQL派は「レポーティングしかできないSQLはもう古い」と主張し、SQL派はHadoopを見て「フラットファイル形式(注)を使うなんて、原始的で生産性がない」と批判する。双方が自分たちのやり方に固執したのです。

フラットファイル形式:データベースをテーブルなどで構造化せず、記号などを使ったテキストファイル形式で表すもの

 NewSQLは、SQLでもNoSQLでもない、新しいデータ処理を模索する形で始まりました。

データウェアハウスの運用法を変える 「Vantage」開発秘話

photo 2019年5月に開催された「Teradata Universe Tokyo 2019」に登壇したブロブストCTO

――具体的には、何をしたのですか。

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