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» 2019年11月22日 07時00分 公開

週末エンプラこぼれ話:翻訳機「ポケトーク」大ヒットの裏で、ユーザーから“カジュアル過ぎる質問”が殺到――そのときメーカーが見つけた解決策とは

「Wi-Fiって何ですか?」――ソフトウェアをこれまで手掛けてきたソースネクストは、大ヒット商品をきっかけに、全く新しい層のユーザーから、大量の「カジュアル過ぎる質問」を受け、企業としての対応に困ったという。かといって、彼らを見放すわけにはいかない。そんな同社が採ったという解決策とは。

[高木理紗,ITmedia]

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 ITリテラシーは人によってさまざまだ。読者の皆さんも、職場やプライベートで「PCの電源ってどうやって切るの」「アップデートって何?」といった、ごくごく初歩的な質問を受けたことはあるのではないだろうか。基本的なITの操作を一から相手に分かるように説明するのは、簡単に見えて大変な作業だ。

 ところが、ある大ヒット商品をきっかけに、そんな初歩的な質問をユーザーから大量に受けるようになった企業がある。製品に話しかけるだけで、内容を74言語に翻訳できる「POCKETALK」(以下、ポケトーク)シリーズを手掛けるソースネクストだ。

 もともと、年賀状ソフト「筆まめ」やセキュリティソフト「ZERO」シリーズなど、さまざまなソフトウェアを販売してきた同社。ユーザーから製品について質問や問い合わせがあった場合は「コールセンターやWebサイト上の製品向けFAQで対応していました」と、同社でプロダクトGroupの執行役員を務める青谷征夫氏は語る。

ソースネクストでプロダクトGroupの執行役員を務める青谷征夫氏

 「確かに今まで初心者向けのソフトウェアを販売してはきましたが、ほとんどのお客さまはある程度PC操作に明るく、基本的な仕組みは知っている方々でした。ご自身でソフトウェアを購入して使われるくらいですから」(青谷氏)

 しかし、そんな事情ががらりと変わった。もともとオランダの企業が開発した初代「ポケトーク」を同社が2017年末に日本で独占販売したところ、大ヒットしたのだ。より使いやすく改良を施し、2018年9月には2代目となる「POCKETALK W」を発売。初代と併せて総出荷台数は50万台を超え「発売の前後では企業としての形態が変わるほどのヒットになりました」と、青谷氏は話す。

 その直後から、ある変化に気付き始めた。ポケトークを購入したユーザーの問い合わせが、それまで扱っていたソフトウェアに対するそれとは全く違っていたのだ。ソフトウェアとは異なり、ポケトークは小さなハードウェアで、海外旅行用の電子辞書のような感覚で購入するシニア層のユーザーが多くなったという。

「POCKETALK」(ポケトーク)の公式Webサイト。総出荷台数50万台を超える大ヒット商品だ

 「ポケトークの操作には、使う言語の設定やアップデート用のWi-Fi接続などが必要です。そのため、ごく基本的な操作方法やWi-Fi自体のことが分からないお客さまから、電話でかなりの量の問い合わせをいただくようになりました」(青谷氏)

「Wi-Fiって何ですか」「明日米国で使うんですけど、どうやって充電するんですか」――“企業が答えるにはカジュアル過ぎる質問”にどう答える?

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