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» 2019年12月17日 10時00分 公開

AI人材育成に欠かせない、たった1つの視点:データ分析が得意な人はどこにいる? 具体的な分析のステップは? 専門家が解説 (1/2)

AIによるデータ分析の勘所を持つ人はどこで発掘できるのか。またデータ分析プロジェクトの具体的な進め方やポイントは? ビジネスの現場で役立つ知識をデータサイエンティストが伝授する。

[石川 真之介, 松永和成,豆蔵]

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著者紹介:石川 真之介

豆蔵 デジタル戦略支援事業部 第1グループ 博士(理学) コンサルタント データサイエンティスト

大学やJAXAなどの研究機関で、研究者として宇宙観測機器開発(観測ロケット、人工衛星、地上望遠鏡)や、観測データ解析による宇宙物理学の研究を行う。2019年4月に豆蔵に入社し、データ分析・可視化プロジェクトや、新規サービス検討プロジェクトに参加。AI・機械学習をはじめとする先端技術教育プロジェクトに講師としても参加する。

著者紹介:松永和成

豆蔵 デジタル戦略支援事業部 第1グループ 博士(理学) コンサルタント データサイエンティスト

大学在学中に、NASA火星探査機プロジェクトのサイエンスチームの一員として、火星大気環境をプラズマ観測データから分析・研究する。2017年8月に豆蔵に入社し、IoTセンサーデータやログデータの可視化・分析プロジェクト、RPA導入支援プロジェクトなどに参加する。

 AI(人工知能)人材育成に求められる数理的素養は、第2回連載で紹介した通り、数学や情報学を専門としなかった人でも身に付けられる能力である。一方、大学での専門によっては、ビジネスにおけるデータ分析で求められるのと同様の、もしくはより厳密に数学的思考力を駆使してデータ分析を実践してきた人たちが存在する。

 彼らは、企業が持つ大量のデータをAIなどの技術を使って分析し、ビジネス戦略の立案などに大きな役割を果たすデータサイエンティストとして活躍しているケースがある。それは具体的にどういった人たちだろうか。どの分野に目を向ければそういった人材に巡り合えるのだろうか。

 また、数理的素養は単なる観念ではなく、データ分析の実践に応用することが重要である。データ分析については、実とは懸け離れた方法論を解くような記事も出回り、ただ「それらしい分析をすれば重大な事実が分かる」と誤解をしている人もいるだろう。

 そこで、本記事後半では日頃からデータサイエンティストとしてデータ分析を実践する著者2人が、プロジェクトの具体的な進め方を紹介し、データ分析で特に大切だと思うポイントを紹介する。一般のビジネスパーソンが外部にデータ分析を依頼したり、AI活用を検討したりする際にも重要になるポイントだ。

「データ分析を行う」とは何をすることか

 連載タイトルにあるAI、すなわち人工知能という言葉はさまざまな意味で使われるが、現在ビジネスの現場においては「合理的判断を自動的に行う」という側面で捉えられることが多い。「判断が合理的」とするためには、「どの程度の確からしさでどのようなことが言えるか」ということを記述でき、またそれが検証可能であることが求められる。

 例えば、天気予報で「明日雨が降る確率は30%である」という記述がある。「明日」も「雨が降る」もきちんと定義されており、実際に雨が降ったかどうかは次の日になれば確認できる(注1)。もちろん、確率的に記述された予測が当たったかどうかの検証は、1回の結果確認だけでは不十分である。「明日雨が降る確率は30%」という予測を多数集め、全体で次の日に雨が降った確率が30%に近ければ、はじめて「この予測の精度は高かった」と確認できる。

 このように、データ分析における合理的判断とは、多くの場合、数値化されたデータから目的とする情報を得ることを指す。そして、データ分析から得られた情報が検証可能であることがポイントの一つである。

注1:気象庁は実際に天気予報がどれだけ当たったかを検証するサイトを公開している。

数理的素養のある人はどこにいるのか

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