5Gの苦手領域「山間部」のIoTはLPWAでまかなえるか? NTT東らが実証実験へ

NTT東日本と山梨県小菅村、北都留森林組合、boonboon、さとゆめは、林業に関する課題の解決に向けたIoT技術を用いた実証実験を始める。高出力の独自LPWAを用いて林業従事者が緊急時に救助を要請可能にする仕組みや、害獣捕獲時の通知機能を提供する。

» 2020年01月23日 10時47分 公開
[ITmedia]

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 NTT東日本(以下、NTT東)と山梨県小菅村、北都留森林組合、boonboon、さとゆめは2020年1月22日、林業に関する課題の解決とSmart Villageの実現に向けて、IoT(Internet of Things)技術を用いた実証実験を2020年2月〜9月に実施すると発表した。

Smart Village 山梨県小菅村の「Smart Village」構想(出典:NTT東)

 実証実験でNTT東は、山間部を効率的に網羅できる高出力の独自LPWA(Low Power Wide Area)無線技術を用いて従事者が緊急時に救助を要請可能にする仕組みや、害獣捕獲時の通知機能を提供する。林業従事者の労働災害抑止やシカなどの獣害対策といった林業の共通課題の解決を図り、より安全で生産性の高い林業経営の実現を目指す。

 日本の林業従事者数は、ここ30年間で約1/3に減少している。倒木事故などの労働災害による林業従事者の死傷率は全産業平均の約10倍で最も高く、対応が急務とされている。一方で持続可能な森づくりや災害対策の観点から、伐採後の植林や育林の必要性が高まっているが、シカなどによる苗の食害が深刻になっている。こうした課題は、IoTの活用による解決が期待できるが、山間部ではIoTを活用するための通信環境が整っていなかった。

林業の生産性を上げるIoT活用とは?

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