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» 2020年01月28日 11時00分 公開

「EDI 2024年問題」からDXの障壁を考える:商流や新ビジネス設計の場から「存在ごと消える」可能性も? 迫る「つながる社会」への取り組み開始のデッドラインはいつか

5G通信普及を目前に、社会インフラをはじめ、多くの「実社会を構成する要素」がデータでつながる未来が予測されている。これらをどう自社の成長に結びつけられるかが今後の企業のデジタル戦略の核となると目されるが、こうした動きに隠れてデータ化から取り残されかねないと危惧される領域がある。対策着手のデッドラインが迫る。

[ITmedia]

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 中小企業庁は企業間取引の高度化に向け、システム化や取引高度化を支援する活動を数年来続けている。今や民間でSaaS事業者が多数存在する中、なぜ官公庁が主導する事業が必要なのだろうか。その背景には、日本経済全体に影響する大きな問題がある。

公共インフラで進む脱アナログ、スマート化

 電気、水道、ガス、通信などのインフラはいずれも「スマート化」が進む。例えば電気はスマートメーターの普及を基にしたオペレーション改革、自家発電網など、別系統の電力供給網を活用するアイデアが続々登場する。個々の契約者単位で需要と供給の詳細を明らかにするデジタル化は、発送電分離をきっかけに送電事業に参入する事業者にも意義は大きい。独自のサービスを開発したり、コスト最適化に利用したりといった、従来とは異なる価値提供の基盤となるデータを獲得できるからだ。

従来商流からの切り替え投資、DXできない組織

 ここで、電気や水道、ガスなどの公共インフラは(自由化や発送電分離などの議論、法的制約についてはここでは言及しない)公的機関やそれに近い組織がサービスデリバリーの基盤を取り扱うため、方針さえ決まれば事業者単独の意思決定でスマート化を推進しやすく、設備投資の負荷を除けばデジタル化への障壁はそう大きなものではない。

 他方、製造、物流などの場合、サプライヤーや輸送業者など複数の企業が関係するため、調整は簡単にはいかない。デジタル化というと、BtoC企業が単独でデータドリブンなビジネス開発を進めるイメージが先行する。だが、ToCもtoBも実際には一社単独でデジタル化を進めたところで得られる効果は限定的だ。ビジネスインパクトのある「変革」には、社会インフラや周辺環境、取引先などの情報を有機的に組み合わせていくアプローチが必要になる。

海外で進むデータマートの共有、ビジネス基盤開発と後れを取る日本、日本企業

 他社との調整と並んで、日本企業のDXを待ち受けるもう一つの課題が法規制との兼ね合いだ。グローバル化の程度に関係なく、国の法律法規はその国を拠点とする組織の経済活動に大きな影響を与える。

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