コロナ禍で再認識した人的資源の価値「人が中心」のビジネスを継続するには デジタルワーカーが10万人の雇用を守る米国事例も

新型コロナウイルス感染症による影響で、人的資源がビジネスにとってどれだけ重要かが示されました。有事の際も、従業員を守りながら滞りなく事業継続する鍵としてデジタルワーカーの導入が有効な理由を解説します。

» 2020年04月24日 10時00分 公開
[長谷 太志Blue Prism]

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 現在、世界は新型コロナウイルス感染症により大きく揺れ動いています。日本でも従業員が通常勤務できない状況が続き、経営戦略やビジネス継続性の観点から、このような不測の事態への備えが不十分だったと感じている方も少なくないでしょう。現状、多くの企業において、事業継続計画や災害復旧計画は既に立案されているものの、ほとんどの場合は人的資産に対する制限を包括的にカバーできておらずITシステムやその他のインフラストラクチャに関するものが中心です。

 結果として、クラウド活用の進展もありITシステム自体は稼働し続けていても従業員側に制限がかかれば業務が滞ってしまいます。従業員も貴重な資産であることを再認識した上で、同じ品質で顧客にサービスを提供するにはどうすればよいのかをお悩みの方も多いでしょう。従来の事業継続計画に加えて、どのような戦略を立てておくべきなのでしょうか。

 1つの解決策として「デジタルワーカーの活用」があります。RPA(Robotic Process Automation)に代表されるようなデジタルワーカーは、ツールの成熟により活用が進んでいます。新たな“人的”リソースであるデジタルワーカーは、従業員と同様、業務システムとデータをやりとりし、安全なデータセンター環境で、迅速かつ正確な処理を実行します。

 デジタルワーカーは業務の自動化を進めて効率化を実現するだけでなく、事業継続計画でITシステムが含まれていれば、同時に保護されるため業務を遂行しつづけます。

米国や英国でもデジタルワーカーの活用進む

 ビジネスは、会話やひらめき、情報交換と意思決定など、人を介して進みます。新型コロナウイルス感染症対策のように、人と人の接触に大きな制限が入った場合は、どのような影響が出るのでしょうか。

 まず、病院や医療関連製品の製造業、スーパーやネット通販などの小売り・流通業、メディア、各種行政機関などは、むしろ業務量が飛躍的に増加し、より迅速かつ柔軟に活動できる仕組みが必要となります。加えて、先に挙げたような業種の企業でなくても、ユーザーや取引先としている多くの企業が、通常通りに顧客サービスを提供し続けなくてはなりません。ここからは、有事における人的リソースの課題とデジタルワーカーの効用について、具体的に解説していきたいと思います。

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