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2020年1月15日、「Chromium」(「Google Chrome」のオープンソース版)で採用されているレンダリングエンジン「Blink」を採用したMicrosoftの新しいWebブラウザ「Microsoft Edge」(以下、Edge)がリリースされた(本稿は、Blinkを採用したEdgeを「Edge」と表記し、過去の「Internet Explorer(IE) 11」のレンダリングエンジンを改良したEdgeHTMLを使ったWebブラウザを「レガシーEdge」とする)。
MicrosoftはレガシーEdgeのサポートを2021年3月9日で終了する予定だ。サポートが終了すると、機能アップデートやセキュリティパッチの提供も終了するため、IE11を前提とする業務アプリケーションは見直しが必要になる。当面はEdgeの「IEモード」を頼れるが、期限がありそうだ。
Windows 10は「Windows Update」でレガシーEdgeをEdgeに置き換えている。10月20日(米国時間)にリリースされた「Windows 10 October 2020 Update」(Windows 10 20H2)は、デフォルトでChromiumベースのEdgeがインストールされ、レガシーEdgeは直接起動できないように変更された(ユーザーが特定の操作をすればEdgeとレガシーEdgeは共存可能)。
Windows 10 20H2のEdgeは、あたかもレガシーEdgeをEdgeが上書きしたかのように振る舞うため、意識せずWebブラウザを使う多くのユーザーは既にEdgeを使い始めているはずだ。
EdgeはChromiumと同じバージョン番号を採用するため、2020年1月15日のリリース時はバージョン79だったが、それから9カ月後の2020年10月にはバージョン86までアップデートを重ねている。EdgeはChromeやFirefoxと同じようにWebブラウザ自体にソフトウェアアップデートの仕組みを持つようになったため、セキュリティアップデートなどの更新サイクルは、月1回のWindows Updateを待つことなく単独で進められるようになった。Blinkが持つ最新の機能もタイムリーにEdgeに取り込まれている。今までのIEやレガシーEdgeの機能強化のサイクルを知っているユーザーにとっては、信じられないスピードだ(ChromeやFirefoxでは当たり前のアップデートサイクルではある)。
レガシーEdgeよりも面倒なのがIE 11だ。IE 11は既にメインのサポート期間が過ぎたWebブラウザだが、多くの企業が社内の業務システムなどで使用し続けている。このため、機能アップデートこそないものの、現在もWindows 10ではセキュリティパッチの提供などのサポートが継続している状況だ。
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