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» 2021年11月04日 15時00分 公開

「データドリブン従業員」はどう作る? 入社2年目若手が分析をリードするLIXILのデータの使い方「メインフレームまみれ」からデータドリブンな組織へ

LIXILはDX推進の施策を「デジタルの民主化」と呼び、システム開発と組織全体でのデータ利活用を進めている。データ活用基盤となるLIXIL Data Platform(LDP)の整備状況と、データ活用人材のすそ野拡大の状況はどうなっているだろうか。

[加山恵美,ITmedia]

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LIXIL 岩﨑 磨氏

 データを活用したくても「できる人が足りない」。いまやどんなビジネスであろうともデータ活用は不可避だ。ビジネス現場からの要望や課題が山積する中で肝心のデジタル部門のリソースが追い付かないのが実情ではないだろうか。レガシーシステムを抱えていれば維持管理に多くの人員と予算を費やさなくてはならず、身動きがとれなくなる。こうしたリソースの枯渇は「会社の成長を阻害する要因となる」とLIXIL 常務役員 Digital部門システム開発運用統括部 リーダー岩﨑 磨氏は指摘する。

 この成長阻害要因をどのように解消するか。LIXILが出した1つの答えは「デジタルの民主化」だ。岩﨑氏は「顧客に近い業務を熟知している人たちがデジタルやITスキルを身に付けること」と説明する。こうすればリソース枯渇を解消できるだけでなく、人を介したコミュニケーションのロスも減る。IT部門はより難易度が高い課題や、より最新の環境構築に力を割ける。

本稿は2021年9月に開催されたITmedia主催のオンラインイベント「ITmedia DX Summit vol.9」講演からLIXILの岩﨑 磨氏(常務役員Digital部門システム開発運用統括部リーダー)による基調講演の内容を基にしている。


データは存在するだけでは価値を生み出さない。使える形に

 LIXILの「デジタルの民主化」は2つの領域に大別される。「ノーコード開発によるシステム開発の民主化」と「LIXIL Data Platform(以下、LDP)によるデータ利活用の民主化」だ。本稿は後者をメインテーマとする。

 LDPはLIXILにおけるデータ活用基盤だ。内部では「データの銀行」とも呼ばれているという。レガシーも含む多様なデータソースに加え「Google Cloud Platform」をベースとした共通データ活用基盤とツール群で構成される。岩﨑氏は「システムを刷新しないとデータを活用できないわけではなく、既存システムを含む全てのデータを活用する方法を考えるべきだ。データは使える形になって初めて価値が生まれる」と強調する。

LIXIL Data Platform(LDP)のアーキテクチャ LDPのアーキテクチャ(講演資料より)

 LIXILが考えたデータ活用基盤のコンセプトとその目的は次の通りだ。

 1つ目は「いつでも、好きな時に、必要な人が自身で取り出せる」機能を持つことだ。言い換えればセルフサービス化だ。ここが実現できないと、IT部門はユーザーサポートに力を奪われてしまうので、かなり力を入れて作り込んでいる。

 2つ目はガバナンスやセキュリティだ。「厳密な権限管理の元で安全にデータが蓄積されている」こと。誰でも簡単に取り出せるようにしつつも、野放図というわけにはいかない。

 3つ目は「データ活用の際、高速に処理ができる」性能を持つことだ。オンプレミスの古いシステムをだと、どうしても性能のボトルネックにぶつかってしまうが、クラウドを活用すればスケールアウトの可能性が広がる。必要な時だけコンピューティングリソースを拡大し、必要がない時には課金が発生しないようにコントロールできる。

 岩﨑氏は「デジタルの民主化に欠かせない要素がある」と指摘する。

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