「日本のデザインの信頼を背負っている」 グッドパッチの情シス担当が認証基盤をOktaで刷新するまで(1/2 ページ)

グッドパッチは2020年6月にデザイン会社で初めて東証マザーズにIPOした新進気鋭の企業だ。「日本のデザインの信頼を一身に背負っている」という同社で情シスを務める担当者は認証基盤の刷新をどのように進めたのだろうか。詳細を聞いた。

» 2021年12月03日 07時00分 公開
[田渕聖人ITmedia]

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 ユーザー体験(UX)の向上がビジネス成長に大きな影響を与える時代に、グッドパッチは「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」を方針に掲げ、日本のUI/UX市場をけん引する企業として注目を集める。

 グッドパッチは、デザインパートナー事業(クライアントワーク)を主軸にデザインプラットフォーム事業やデザイナー向けの人材紹介サービスなど幅広く事業を展開する。2020年6月にはデザイン会社として初めて東証マザーズに新規株式公開(IPO)を成し遂げた。

 順風満帆の同社だが、IPO後の組織拡大で認証基盤が揺らぐ恐れがあったという。認証基盤刷新プロジェクトを主導した担当者に話を聞いた。

IPOで組織が拡大 異なる業務形態のメンバーのアカウントをどう管理するか?

 「今後、M&Aなどによって組織がさらに成長し、従業員数が増加すれば、『根底の基盤が揺らいでしまう』と感じました」と語るのはグッドパッチの遠藤祐介氏(管理部 情報システム担当)だ。

 遠藤氏が所属する管理部には、総務と法務、労務、情報システムの4部門がある。PCのキッティング作業やアカウント管理などは総務部と連携しながら進めるが、2016年からは、社内の情報システムを同氏一人で管理している。

グッドパッチの遠藤祐介氏

 グッドパッチは従来、パスワードマネジャーの「1Password」を導入し、「Google Workspace」をメインの認証基盤に据えていた。遠藤氏は「グッドパッチはUI/UXのデザイン会社として、常にトレンドを追い続けなければなりません。そのためメンバーには複数のクラウドサービスを自由に使える環境を提供する必要があり、結果として1PasswordとGoogle Workspaceで対応していました」と話す。

 組織規模が小さければ従来の運用で十分賄えていたが、IPOで組織が拡大するにつれて、徐々にアカウント管理の負荷が高まっていった。従来のアカウント管理は従業員に任せGoogle Workspaceや「Slack」など業務で常に利用するサービスは、遠藤氏がアカウントを1つずつ払い出してメンバーにアカウント作成を依頼していた。

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