日本企業のゼロトラスト導入「予定なし」が3割 グローバルと大きな溝――Okta調査

ゼロトラストの重要性は理解しているが「どこから取り組むべきか分からない」という声を企業から聞くことも多い。Oktaが公開した「ゼロトラスト導入実態調査」から世界と日本企業の現状を把握し、ゼロトラスト導入のヒントを探る。

» 2021年08月30日 07時00分 公開
[田渕聖人ITmedia]

この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。

 テレワークの導入やSaaS(Software as a Service)利用が進み、従業員に加えて契約社員や常駐パートナー、サプライヤーなどさまざまなユーザーが、場所やデバイスを選ばず企業内ネットワークにアクセスする機会が増えている。

 こうした状況で従来の境界型のセキュリティアプローチから、アイデンティティー管理を中心としたゼロトラストアーキテクチャ(以下、ゼロトラスト)の構築を目指す企業が増加するが、その進捗(しんちょく)はどうなっているのだろうか。

 本稿は、クラウド型ID管理サービス(IDaaS:Identity as a Service)ベンダーのOktaが発表したグローバル調査「ゼロトラスト導入実態調査」を基に、アイデンティティーを中心としたゼロトラストの導入という観点から、全世界の組織が現在どのような取り組みをしているのかを探る。

 同調査は従業員数500人以上の組織に所属するセキュリティに関する意思決定者700人を対象に、2021年3〜5月にかけてオンラインで実施した。回答者の所属の内訳は、日本企業100人、アジア太平洋地域の企業300人、欧州・中東およびアフリカEMEA100人、北米100人と『Forbes』誌が発表する「グローバル2000」に選ばれた企業から100人だ。

先進企業のゼロトラスト導入状況は?

 ゼロトラストの取り組み状況について調査したところ、グローバル2000の回答グループのうち、53%(複数回答、以下同)が「すでに実施している」と回答した(複数回答、以下同)。「今後18カ月の間に実施予定」と回答した割合も含めると、グローバル2000の9割が将来的にゼロトラストを導入する予定だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ