NECが「秘匿生体認証技術」を開発 顔情報漏えいによる悪用リスクを低減

NECは、顔情報を暗号化したまま認証を可能にする「秘匿生体認証技術」を開発した。登録した顔情報が漏えいしても、悪用されるリスクを低減できる。

» 2021年12月17日 07時00分 公開
[ITmedia]

 NECは2021年12月16日、顔情報を暗号化したまま認証を可能にする「秘匿生体認証技術」を開発したと発表した。顔情報が漏えいした場合の悪用リスクを低減し、生体認証の利用シーンを拡大する。

 現在、顔認証は本人確認の手段として導入が進むが、登録された顔情報が万が一漏えいした場合、なりすましなどに悪用されるリスクがある。こうしたリスクに対応するため、顔情報などの生体情報から取得した特徴量(生体特徴量)を暗号化したまま生体認証を行う技術が注目されている。

 中でも「準同型暗号」(注)を用いた方式は認証精度を劣化させることなく生体特徴量を暗号化したまま認証処理できるが、単純な演算に限られる。生体認証に必要な複雑な処理における処理速度の低下が課題となってきた。

 これまで準同型暗号を用いた方式は、比較的処理の軽いオンラインサービスなどで認証端末上の顔情報をIDなどで特定した人の顔情報と照合して本人を認証する「1:1認証」(注2)で用いられていた。主に施設の入退場管理や決済などで利用され、データベースに登録された複数人の顔情報と照合することで本人を認証する「1:N認証」(注3)では、処理速度の問題から難しいという課題があった。

1:N認証の処理をいかに高速化するか

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