直販モデルによって、注文から在庫引き当て、出荷までを可視化しているDellがもう一段高度なサプライチェーン管理を目指すという。カギはアジャイルサプライチェーンの実現だ。製品設計を含む全体の最適化を進める。
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世界的に半導体不足が深刻だ。自動車や家電メーカーの製品出荷が遅れ、さまざまな企業の業績に影響を与えだしている。PCメーカーも例外ではない。
Dellは需要の変化に適切に対応するためにサプライチェーンをデジタル化した。これによって業務を迅速に調整し、場合によっては半導体不足の影響を軽減することができる――。Dellの共同最高執行責任者(COO)であるジェフ・クラーク氏は、同社の第3四半期決算発表でこう述べた。
クラーク氏によれば、サプライチェーンのデジタルモデルはシミュレーションを作成し、会社がさまざまな需要と供給のシナリオを計画できるようにする。これによってDellは、供給が窮迫しているときに「取扱品目を削減する」か「代替コンポーネントの使用を優先する」かといった判断を迅速に下せるようになる。
「需要シグナルに基づいて利用可能な供給を理解し、需要を形成するためのシナリオプランニングを実施できる」とクラーク氏は「Credit Suisseテクノロジーカンファレンス」で語った。
アクセンチュアの調査によると、今後3年で同社調査対象企業の6割超が「アジャイルサプライチェーン」実現に向けた投資を増やす計画だ。
注文から出荷までをトレースできるDellの直接販売モデルは、今の段階で十分に業務の可視性を高めるものになっている。しかし、これだけでは不十分だというのがDellの見立てだ。
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