今やクラウド利用は企業がビジネスを迅速に実行する上で必要不可欠なものになっている。しかし、あなたの企業は自社に合った適切なクラウド戦略を選んでいるだろうか。3パターンのクラウド戦略の長所と短所、企業ごとに最適なアプローチを探る。
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あなたが企業のCIO(最高情報責任者)だと想像してみよう。5年前、あなたは1つのクラウドプラットフォームを選択し、全てのツールやアプリケーションおよびテクノロジー機能をクラウドに移行した。現在も全てが計画通りに運用されている。テクノロジーはスムーズに統合され、その潜在能力を最大限に発揮している。
この状況は、子どもがアイスクリームの代わりに野菜を食べるくらいの現実味しかない。
この2年間で産業界が学んだことがあるとすれば、それは「変化は起きるものであり、しばしば速やかに起こる」ということだ。数年前、データセンターからクラウドプラットフォームに移行する主な利点は、柔軟性とコスト面での優位性だった。
だが今や、クラウドに移行した企業はプラットフォームやプロバイダーを変更するためにコストを支払っている。ベンダーロックインやデータセンターからクラウドへの移行ができないことが企業の足かせとなるため、流動的なアーキテクチャを整備することは重要だが、テクノロジーの進化に伴いこうした変更はより頻繁に必要になってきている。
CIOはこれに向けて「利用中のクラウドプラットフォームを使い続けるべきか」「特定のアプリケーションを別のプラットフォームに移行すべきか」「オンプレミスで保管しているツールやデータをどう管理すべきか」など、継続的に正しい選択をする必要がある。
解決策は企業ごとの状況によって異なるが、状況に応じたクラウド戦略を採ることがその能力を最大限に引き出す唯一の方法だ。
一般的には「モノ(単一)クラウド戦略」「マルチクラウド戦略」「ハイブリッドクラウド戦略」という3つのシナリオがある。ここでは、それぞれのアプローチの長所と短所、そして企業の状況に応じてどのアプローチを選択すべきかを説明する。
この記事の冒頭で、企業が技術的に大きな決断(モノクラウドへの移行)を下し、5年後に何も変える必要がなかったという非現実的な世界に触れた。これは、クラウドプラットフォームの選択を宣言し、それにリソースをフルコミットする多くのCIOに共通するパターンだ。
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