2021年は、凶悪化するランサムウェアや国家レベルのサイバー攻撃との攻防が激化 サイバー警察局などで捜査体制強化へ(1/2 ページ)

警察庁がまとめた「令和3年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、2021年は企業や病院などを狙うランサムウェアの被害が拡大し、国家が関与するサイバー攻撃も露見するなど、サイバー脅威が深刻化しているという。

» 2022年04月15日 07時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

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 警察庁は2022年4月7日、2021年のサイバー脅威の実態をまとめた「令和3年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」を発表した。

企業規模や業種を問わず、巧妙化したランサムウェア攻撃が増加

 2021年中のサイバー犯罪の検挙件数は、過去最多の1万2209件を記録し、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)による被害の拡大や、不正アクセスによる情報流出、国家を背景に持つサイバー攻撃集団による攻撃が判明するなど、サイバー空間をめぐる脅威は「極めて深刻な情勢」が続いているという。

Photo サイバー犯罪の検挙件数の推移(出典:警察庁「令和3年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」)

 2021年に都道府県警察から警察庁に報告された国内企業・団体のランサムウェア被害件数は146件(上半期61件、下半期85件)で、2020年下半期(21件)以降、右肩上がりで急増した。

Photo 国内企業・団体におけるランサムウェア被害の報告件数の推移(出典:警察庁「令和3年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」)

 被害件数(146件)の内訳を被害企業・団体の規模別に見ると、大企業は49件(34%)、中小企業は79件(54%)で、企業規模を問わず被害が発生していた。業種別では「製造業」(55件、38%)、「卸売、小売業」(21件、14%)、「サービス業」(20件、14%)が多いものの、全業種に被害が及んでいた。

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