「ロボットレストランは是か非か」 米国レストラン経営者の論点Restaurant Dive

外食産業では今、ロボティクスを活用した業務プロセスの自動化の波が来ている。ただしこうしたテクノロジーの導入で、従業員コストを低減できるとは考えない方がいいだろう。ロボットと人間をうまく共存させる店舗設計のポイントとは。

» 2022年04月21日 08時00分 公開
[Raju MalhotraRestaurant Dive]

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Retail Dive

 近年、外食産業では至るところにロボットが導入されており、米国の業界紙や主要紙は毎週のように「ロボットが大手カジュアルダイニングチェーンを乗っ取る」という見出しを掲げている。

 ロボットがハンバーガーを焼き、手羽先を揚げ、運転手のいないbotやドローンがお腹を空かせた客に食事を届けている。各業界紙が「乗っ取り」という言葉をヘッドラインに掲げるのも納得できる。アンドロイドが人間に取って代わる日も近いかもしれない。

外食業界で進むAI導入と自動化 そのとき従業員はどうなる?

 これは多くのレストラン経営者、特に人手不足の影響を受けているレストランにとって歓迎すべき事態だ。米国労働統計局は2021年の調査で、接客業従事者の退職率が月間6.6%に達し、全業種平均の2倍以上だったと報告した(注)。加えてフルサービスのレストランは、2019年と比較して6.2人少ないキッチンスタッフで運営されている。

 外食産業において、特定の業務プロセスを自動化して労働負荷を緩和するテクノロジーソリューションは不可欠なツールとなっており、その自動化基盤にはAI(人工知能)が活用される傾向がある。

 小売や外食業界向けのPOSシステムを提供するLightspeedのレポートによれば(注2)、米国のレストラン経営者の50%が今後2〜3年の間に何らかの自動化テクノロジーを導入する予定だ。

 世界レベルで見ると、AI市場は2025年までに1906億1000万ドル(注3)、フードテック市場は2027年までに推定3420億ドルに達する(注4)と予測されている。AIは既にフードサービス業界のさまざまなところで本格的に進出している。

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