店舗とECはどうつなぐか? 都心大型旗艦店でアルペンが実践した店舗DX(1/2 ページ)

ローコード開発環境を使ったアジャイルな手法はオンライン/オフラインを融合した店舗DXの仕掛けにどう役立つか。都心部に旗艦店を出店したアルペンのケースからECサイト全盛の今、小売業がリアル店舗を置く意味を考える。

» 2022年04月25日 11時00分 公開
[ITmedia]

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 2022年4月1日、アルペンが「Alpen TOKYO」をオープンさせた。新宿駅至近の立地で地下2階から8階までの10フロアを使い、2つの専門店の旗艦店を集約する。

 アルペンといえば、1980〜90年代のウインタースポーツブームとともに事業を拡大。全国各地に店舗を構えファミリー向けにウインタースポーツ用品を展開してきた印象がある。同社は近年、ウインタースポーツ用品専門店以外にも、ゴルフ用品専門店「ゴルフ5」、スポーツ用品店「スポーツデポ」、アウトドア用品専門店「アルペンアウトドアーズ」にも注力する。これらに加えて独自のアパレルブランドも展開、郊外店を中心とした出店を進めてきた。

 この同社が都心、しかもスポーツ用品店が集まる神田・神保町ではない立地に旗艦店を出す意図はどこにあるだろうか。

店舗外観イメージ(出典:アルペン提供資料)

店舗の再発見 ECがある今、それでも私たちが現地に行く理由

アルペンは1972年愛知県で創業した。写真はAlpen TOKYOオープンを前に会見に登場した社長の水野敦之氏

 アルペンといえば、郊外に店舗を構え、地域のファミリー層から支持を集める出店戦略をとってきた印象が強い。

 コロナ禍の巣ごもり需要を考えれば郊外店を拡大するのが定石のように見えるが、同社は旗艦店の立地に新宿の駅前を選んだ。新宿は町の特性上、さまざまな目的を持った人が集まる街であり、客層の幅は広い。スポーツ用品店が集まる神田・神保町と比べても交通アクセスが良い。

 「コロナ禍で消費行動は変化した。店舗が持つ役割もそれに合わせて変化する必要がある」と同社社長の水野敦之氏は新宿出店の意図を説明する。

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