日本企業のDX推進、エクイニクスとキンドリルの戦略的協業がもたらす2つの価値ハイブリッド/マルチクラウド活用からエコシステムを形成

2021年12月、ミッションクリティカルなITシステムを支えるキンドリルと、データセンターサービス分野に強みを持つエクイニクスが戦略的協業を発表した。その狙いと具体的な提供価値は何か。両社のトップに話を聞いた。

» 2022年06月06日 10時00分 公開
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小川 久仁子氏と上坂貴志氏 エクイニクス・ジャパンの小川 久仁子氏とキンドリルジャパンの上坂貴志氏

 ビジネスの安定性、安全性、コスト効率を確保しながら経営環境変化に柔軟に対応することが求められる。新たな価値を届けるスピードは差別化要素となった。ハイブリッド/マルチクラウド環境を整備することはデジタル時代を勝ち抜くための条件であり、製造や金融、流通・小売などの各業種で活用が進む。

 ハイブリッド/マルチクラウドの恩恵を最大限に得るには、ユーザーにも相応の準備が必要だ。クラウドサービスの進化をキャッチアップできる体制をどうつくるのか。適切な運用体制をどう維持するのか。オンプレミスの運用も一部には残るだろう。

 このような課題を解消するために、ハイブリッド/マルチクラウド環境整備はどうあるべきか。2021年12月に戦略的協業を発表したキンドリルジャパンの上坂貴志氏(代表取締役社長)と、エクイニクス・ジャパンの小川 久仁子氏(代表取締役社長)に話を聞いた。

戦略的協業で「クラウドハブ」を軸とした包括的なソリューションを展開

 DX推進は、クラウドを核としたデジタルインフラの活用が前提条件となる。両社が「DX時代の社会基盤」としてソリューションを提供することを通じて日本企業のクラウドファースト、デジタルファーストを強力に支援する。

 戦略的協業の具体的な内容は「クラウドハブを中心として、クラウド、データセンター、ネットワーク、セキュリティ、システム運用管理といったサービスを包括的に提供し、迅速でセキュアなクラウド利用を支援するとともに、お客さま企業同士のエコシステム形成も支援する」というものだ。協業の狙いを両社のトップは次のように説明する。

 「キンドリルは『社会成長の生命線』というパーパスの下、業界を越えて未来の礎となる社会基盤を創造していきたいと考えています。エクイニクスとの協業によってお客さまのサービスの堅牢性や信頼性を維持するとともに、ハイブリッド/マルチクラウド環境のデザインから構築、運用、さらにモダナイズまでしていくというシームレスなご支援でビジネスの発展を支援します」(上坂氏)

 「キンドリルジャパンは、非常に高度な技術力とシステム構築・運用に関する長年の実績やノウハウをお持ちです。今回の両社の協業によって日本のお客さまのDXを一層加速させるご支援ができると考えます。日本企業がデジタルファースト戦略を推進する環境を構築し、日本企業と社会のデジタル化、ひいては競争力の強化を目指します」(小川氏)

エクイニクスとキンドリルのビジョン エクイニクスとキンドリルのビジョン(出典:エクイニクス・ジャパン提供資料)

「つなぐ」だけでマルチクラウドが利用可能 サステナビリティーにも寄与

 両社の強みは、事業の成り立ちや成長の過程を見ると分かりやすい。

 キンドリルは、IBMのマネージド・インフラストラクチャー・サービス事業の分社化で誕生した企業だ。複雑かつミッションクリティカルなITインフラの設計・構築から管理、モダナイズまで豊富な知見や実績を持ち、今や経営基盤として必要不可欠となった技術やシステムを提供する。カバー領域もオンプレミスからハイブリッド/マルチクラウドまで幅広く、高い標準化と自動化の技術力を提供できる。

 上坂氏は「日本企業のDXを推進するためには、お客さまの既存のITインフラ環境をよく理解した上で、最新技術を用いた『ITインフラストラクチャーの近未来』を描いていくことが重要です。キンドリルは、クラウドやハイブリッドIT環境と、さらにそれを発展させるための自動化、AI、そしてセキュリティなどの技術を用いたデジタル時代のITインフラ像を描きます」と説明する。

ITインフラストラクチャーの近未来 キンドリルジャパンが描くITインフラストラクチャーの近未来(出典:キンドリルジャパン提供資料)

 エクイニクスは30カ国、69都市圏にある244カ所のデータセンターを活用してソリューションを展開するデジタルインフラストラクチャー企業だ。「インターネットの接続拠点」の提供から事業がスタートし、データセンター、ECビジネス向けのグローバルインフラ、クラウドサービスへの接続拠点の提供など、業容を拡大させてきた。

 「エクイニクスはデータセンター事業者と見られますが、現在はクラウドサービスへの接続拠点としての利用が多い状況です。エクイニクスのデータセンターに接続すれば、主要なクラウドサービスに接続できます。現在、主要なクラウドサービスへの接続拠点の40%以上のカバレッジをエクイニクスのプラットフォームでご支援しています。私たちのDNAは『つなぐ』こと。グローバルのデジタルプラットフォームと世界最大の相互接続エコシステムで社会を支えるデジタル基盤を作ります」(小川氏)

エクイニクスの強み エクイニクスの強み(出典:エクイニクス・ジャパン提供資料)

 エクイニクスはサステナビリティーへの取り組みも強化する。社会基盤としてサービスを展開する以上、環境保護やカーボンニュートラルへの取り組みは無視できない。日本国内のデータセンターにおける再生エネルギー使用率は100%を達成している。

 「サステナビリティーはマーケットリーダーとしての使命です。再生可能エネルギー利用の国際的なイニシアティブ『RE100』のメンバーであり、米国の『CEBA』(Clean Energy Buyers Association)のファウンダー、ボードメンバーとして活動しています。2030年までにグローバルで100%のクライメイトニュートラルを達成することへのコミットメント、49億ドル規模でのサステナブル活動に対するグリーンボンド発行といった取り組みも進めています」(小川氏)

DXに集中できる「シンプルな運用」と「エコシステム形成」を支援

 両社が顧客に提供できる具体的な価値とは何か。小川氏は、エクイニクスが全世界のユーザー企業を調査して分かったという「成功する企業に見られるトレンド」を基に説明する。

 「成功しているお客さまには3つの特徴があります。1つ目は『デジタルサービス』を提供できていること。ビジネス自体をデジタル化してサービスとして提供しています。2つ目は『デジタルへの参加』ができていること。各社自身がデジタル化された企業エコシステムをうまく活用できています。3つ目は『デジタルへの近接性』です。データが生成され利活用される場所に近いところでビジネス提供ができています」(小川氏)

 具体的には2つの価値をもたらすという。1つ目はシンプルさだ。

 「エクイニクスは主要なクラウドベンダーのネットワーク接続拠点を全世界で提供しています。エクイニクスのプラットフォーム上にキンドリルがデザインした新しい『クラウド接続ハブ』があります。そこにお客さまがネットワークを1本つなぐだけで、マルチクラウド接続が可能になります」(小川氏)

 「お客さまのシステム運用をご支援するわれわれの目線で見ても、お客さまごとにさまざまな運用体系があることはサービス提供の複雑さにつながります。クラウド接続ハブにネットワークを直結して、より標準化されたプラットフォームを用い、属人化された運用や個別最適を徹底的に排除することで、サービスの品質やコスト効率を高めることができます」(上坂氏)

 2つ目はエコステムの形成支援だ。エクイニクスのプラットフォームは世界中とつながっている。

 「われわれがデジタル時代に目指すのは、産業別に標準化されたプラットフォームです。そしてその先には、産業を超えた共通プラットフォーム、社会基盤としてのITインフラストラクチャーがあります。グローバルなデジタルインフラストラクチャー企業として実績のあるエクイニクスは、このための素地をお持ちです」(上坂氏)

 「欧米を中心にコネクテッドカーや自動運転のエコシスムがあります。シンガポールや香港、米国ではFinTechの新しいエコシステムがあります。コロナ禍でストリーミングサービスやゲノム解析のエコシステムも立ち上がりました。多様なエコシステムがエクイニクスのプラットフォームで稼働しています。われわれのクラウドハブを経由することで、全世界のエコシステムに直結できるのです」(小川氏)

 上坂氏は「そして、お客さまがシンプルにエコシステムを活用できるようにするために、キンドリルが接続性を確保します。このシステム運用には、ミッションクリティカルなシステムの知識をどれだけ持っているのかが重要な要素になります。キンドリルは、金融、製造、流通、通信、公共など、さまざまな産業のメインフレームを中心としたミッションクリティカルシステムの構築、運用に関するノウハウを持ちますので、その価値を提供できると確信しています」と語る。

「両社のタッグで化学反応が起こる」「新しい世界を共に作る」

 協業の発表後、両社には問い合わせが殺到している。一社単独でイノベーションを起こすことが難しい以上、エコシステムへの参加と形成はDX時代を勝ち抜く上で必要な条件の一つだ。

 それを支援する両社のタッグについて、小川氏は「間違いなく化学反応が起こる」と話す。上坂氏も「デジタルインフラを迅速かつ高品質に提供すること、エコシステム形成を支援すること、サステナブルな社会基盤の実現、これらを目標として新しい世界を一緒に作っていく」と意気込む。

 「日本企業がDXを加速させるためには一社ではなく業界で、さらにはその垣根を越えて取り組むことが重要です。エクイニクスをはじめパートナー企業とキンドリルは『オープン』『標準化』『共有化』をキーワードに徹底的にお客さまに寄り添うことで既存環境と先端技術の橋渡しをし、お客さまと一緒にビジネスを発展させていきます」(上坂氏)

セミナーのご案内

タイトル: サステナブルなITインフラとは -エクイニクスとキンドリルが描く新たなデジタル基盤構想-

日程:2022年06月17日 (金曜日) 12時〜13時

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2022年6月22日