デジタルビジネス拡大の鍵はITインフラ変革にあり “キンドリル×エクイニクス”の協業が顧客に提供する価値デジタル改革を加速させるために企業に求められる基盤構築

キンドリルとエクイニクスの戦略的協業はデジタル基盤をどう変革し、顧客のビジネスを向上させるのにどう役立つのか。今回の協業で具体的に提供するサービスについて両社のキーパーソンが語った。

» 2022年07月14日 10時00分 公開
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 キンドリルジャパンは2021年末にエクイニクス・ジャパンとの戦略的協業を開始した。

 ミッションクリティカルなITシステムの設計や構築、モダナイズなどを得意とするKyndrylとグローバルのデジタルインフラストラクチャ企業であるEquinixの協業に対しては各方面から大きな期待が寄せられている。ではこの協業は具体的にどのような価値を顧客にもたらすのか。

 2022年6月17日にキンドリルジャパンが開催したオンラインセミナー「サステナブルなITインフラとは -エクイニクスとキンドリルが描く新たなデジタル基盤構想」で両社のキーパーソンが明らかにした。

Kyndrylが提供する“3つの価値”とは

 IBMのマネージド・インフラストラクチャー・サービス部門が分社化して設立されたKyndrylは、IBM時代も含めると30年以上にわたりミッションクリティカルなITシステムの設計や構築、運用を担ってきた。

キンドリルジャパン 三輪直人氏

 同セミナーでは初めにキンドリルジャパンの三輪直人氏(ストラテジックサービス本部 クロステック事業部長)が登壇した。三輪氏は「現在も『Fortune 100』企業の75%を含む数千社のIT施策や基盤運営を9万人超のエキスパートが支援しています。これからも“ミッションクリティカルシステムを支える生命線”として社会の成長を支えていきます」と力を込める。

 三輪氏によれば、同社はグローバルで活躍するITインフラプロバイダーとして“3つの価値”を提供する。

 1つ目は「ベスト・オブ・ブリード」だ。全世界のパートナーソリューションの中からベンダー中立の視点で最適なものを組み合わせて計画から構築、運用までトータルで支援する。2つ目は「ハイブリッド」で、システムの信頼性や安定性が求められるSoR(Systems of Record)と、アジリティーが求められるSoE(Systems of Engagement)という両方のシステム領域で顧客のデジタル改革を支援する。3つ目は「セキュリティ」で、オンプレミスからクラウドまでをトータルで守るセキュリティサービスを提供する。

 「これら3つの価値を従来のITアウトソーシング領域にとどまらず、産業の枠を越えたエコシステムを実現する『デジタル基盤』を通じて提供します」(三輪氏)

両社の戦略的協業から見えた「デジタル基盤構想」

 ここでいう「デジタル基盤」とは、Kyndrylの包括的ソリューションである「クラウド」「アプリケーション&データAI」「セキュリティ&レジリエンシー」「ネットワーク&エッジ」「デジタルワークプレース」「メインフレーム」という6つの技術領域を含むITサービス基盤のエコシステムを指す。

 顧客はそれぞれの拠点からKyndrylが運用サービスを提供するデータセンターを介してマルチクラウドに対応したデジタル基盤を利用できる。同基盤は国内や海外拠点をつなぐグローバルバックボーン回線に接続しているため、オンプレミスのミッションクリティカルなシステムを遠隔地のデータセンターとつないでBCP施策を実現することも可能だ。

 三輪氏によれば、Equinixとの戦略的協業はこのデジタル基盤の実現を後押しし、加速させるものだ。

 「KyndrylのデジタルアウトソーシングとEquinixのプラットフォームを組み合わせたデジタル基盤で、ITインフラの老朽化/複雑化やクラウド活用に伴うシステム運用の煩雑化、セキュリティ脅威の増大、オンプレミス資産の活用、IT人材の不足といったデジタル改革推進を阻害する課題の解決を目指します」(三輪氏)

KyndrylとEquinixのサービスを組み合わせたデジタル基盤のイメージ(出典:キンドリルジャパン発表資料)

Equinixのデジタルプラットフォームはビジネスをどう変える?

 三輪氏に続いて登壇したエクイニクス・ジャパンの内田武志氏(グローバルソリューションズアーキテクト シニアマネージャー)は同社が提供するデジタルプラットフォーム「Platform Equinix」の詳細を説明した。

エクイニクス・ジャパン 内田武志氏

 「現在、世界30カ国/69都市で244以上のデータセンターを展開するEquinixは、過去20年以上にわたり全世界のデジタルリーダーの成功を支援してきました。2000年代前半にはインターネットの発展や金融エコシステムの形成を支え、2000年代後半には主要なクラウドプロバイダーが当社のサービスを利用してビジネスを拡大しました。そして現在、EquinixのPlatform Equinixでは全世界に及ぶ大規模なデジタルエコシステムが形成されています」(内田氏)

 Platform Equinixは「データセンターサービス」の他、各種クラウドサービスと低遅延で接続する「インターコネクション(相互接続)サービス」、ネットワークやサーバなどのITインフラをオンデマンドで提供する「デジタルインフラストラクチャサービス」で構成される。

 内田氏は「Platform Equinixはクラウドプロバイダーをはじめとするさまざまな分野のサービスエコシステムと相互連携します。これによってハイブリッドなITインフラの構築を容易にする他、顧客のアプリケーションやワークロードを全世界のサービス利用者から物理的に近い距離に展開し、新規市場への参入およびデジタルビジネスの拡大を支援します」と話す。

 内田氏はPlatform Equinixの活用について、車載ソフトウェアのグローバルサプライヤーである欧州企業Elektrobitの事例を挙げた。同社は先進運転支援システムの開発を目的とし、Equinixのフランクフルト拠点に「デジタルデータガレージ」を構築した。デジタルデータガレージとは、車両から得た大量の試験データを実際のガレージからハイブリッドなITインフラを利用して効率良くアップロードする仕組みだ。これによって1日に処理可能な車両台数は5台から49台に増え、オンプレミスとクラウドの利点を組み合わせたことで開発コストの削減にも成功している。

クラウドシフトの課題を解決 Kyndrylのマネージドサービスとは?

 ここからは両社の協業でKyndrylが果たす役割と主なユースケースを紹介する。クラウド利用が進む一方で「ハイブリッド化した結果、障害時の問題の切り分けが困難」「障害検知が遅れる」「人手不足でサービスレベルを維持できない」「データガバナンスが効いていない」といった運用管理の課題に直面する企業もある。

キンドリルジャパン 佐々木 慎介氏

 キンドリルジャパンの佐々木 慎介氏(ITコンサルタント)は、これらの課題を解消するためにはクラウドシフトと同時に運用業務の抜本的な見直しが必要だと主張する。具体的には各種マネージドサービスや自動化、DevOps、SRE(サイトリライアビリティエンジニアリング)などを取り入れ、ビジネスに直結する付加価値の高い業務にシフトするために運用モデルの転換が求められる。

 こうした運用の抜本的な見直しを支援するのがKyndrylの各種マネージドサービスだ。下図に示すように、同社は企業のハイブリッド/マルチクラウド利用を前提に、クラウド移行の方針や計画策定から移行、システム構築および運用、IT資源の提供まで幅広いサービスを備える。このうち「EQ」と記したものは、EquinixのサービスをKyndrylがマネージドサービスとして提供する。

Kyndrylが提供するサービスメニューの一覧(出典:キンドリルジャパン発表資料)

 東西日本でデータセンターを運用する企業がクラウドシフトを目指す場合、Kyndrylはクラウドとの接続口となるネットワークハブの提供やクラウドへのシステム移行を支援する。オンプレミスに残したいシステムは同社のデータセンターでプライベートクラウドを構築することが可能だ。

 グローバルWANの利用を見直す場合、Kyndrylは世界各国の主要なサービスプロバイダーと接続するEquinixのインターコネクションサービス「Equinix Fabric」の利用を推奨している。

 「顧客拠点とEquinix FabricをつなぐネットワークハブをKyndrylのデータセンターに構築する他、当社が提供するSASE(Secure Access Service Edge)ソリューションやSOC(セキュリティオペレーションセンター)をはじめとするサービスでグローバルを対象にしたセキュリティ監視を提供します」(佐々木氏)

デジタル基盤の構想策定からガバナンスまでエンド・ツー・エンドで包括的な支援を提供

キンドリルジャパン 條々しの氏

 ハイブリッドなITインフラの構築を検討する際、最初に利用してほしいのはコンサルティングサービスだとキンドリルジャパンの條々しの氏(ストラテジックサービス本部 コンサルティングサービス部長)は話す。

 「顧客のIT変革や戦略実現に向けて初めに必要なのがコンサルティングサービスです。顧客が目指すべきITインフラを明確にするロードマップを策定するだけでなく、これを有効に機能させるガバナンス構築も支援します」(條々氏)

 Kyndrylのコンサルティングサービスは、クラウドからメインフレーム、ネットワーク&エッジ、デジタルワークプレース、アプリケーション&AI、セキュリティ&レジリエンシーまで、ITインフラに関するあらゆる領域をカバーしている。

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提供:キンドリルジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2022年8月16日