クレディセゾンは「契約書の山との格闘」問題をどう解決したか契約内容の“可視化”でリスクをコントロール(1/2 ページ)

ビジネスに契約は不可欠だが、必要な契約書をすぐ取り出せない課題を抱える企業は多いのではないか。契約書の管理不足は契約リスクに直結する。事業に打撃を与えかねない契約リスクを回避するために企業の法務部は契約書をどのように管理すべきか。

» 2022年06月07日 10時30分 公開
[ITmedia]

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 「どの契約をどの会社と結んでいるのか」「自動更新時期はいつなのか」「1社と複数の契約書を締結している場合、各契約の関係性はどうか」――。貴社の法務担当者はこうした質問にどれだけ正確に答えられるだろうか。

 企業で保管される契約書は数百〜数千件に上り、事業活動の継続とともに増えていく。数年前、あるいは数十年前に交わした契約内容の全てを記憶しておくことは現実的ではない。

 企業は締結前の契約に関しては綿密に審査する。しかし、契約は締結後に法的拘束力を持つ。そのため、契約で定めた権利と義務を把握し、適切に管理することも締結前の審査と同様に重要だ。紙の契約書を執務室に保管したままでは知らぬ間に契約違反をしたり、契約更新日の失念によって契約期限が切れていたりして事業に支障をきたす可能性がある。

 こうしたリスクを低減するために、企業は何をすべきか。近年、さまざまなリーガルテックサービスが登場しているが、契約管理サービスは企業の契約リスクを把握する一助となる。AI(人工知能)契約管理システム「LegalForceキャビネ」を提供するLegalForce(以下、リーガルフォース)は、「契約リスクを放置すれば、事業の継続を脅かす事業リスクにもつながりかねない。契約リスクを把握、コントロールしながら事業を推進することが事業価値向上につながる」と指摘する。

 本稿は、「LegalForceキャビネ」を導入したクレディセゾン  リスク統括部 青木聡士氏に同社が抱える契約書管理の問題や、LegalForceキャビネ導入による効果を聞いた。

契約書の散在に危機感 LegalForceキャビネ採用の理由は?

 リーガルフォースが2021年12月7〜8日に実施した、過去6カ月以内に契約関連業務を経験した企業に勤務する1000人を対象とした「契約書管理に関する実態調査」によれば、全回答者436人のうち399人(92%)が「契約書を紙またはPDF化して共有フォルダで保管している」と答えており、多くが契約書を紙で管理している実態が分かった。

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