ビジネスを拡大するためにクラウドの活用は重要なものと見なされている。ただし、企業におけるクラウドへの信頼は向上しているのか、それとも低下しているのか。時間もコストも増加している背景と影響を最も受ける業界が明らかとなった。
この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。
クラウドの利用が年々増加する中、信頼性、可用性、コストに関するCIO(最高情報責任者)の懸念も高まっている。
Uptime Instituteはこのような懸念に答えるため、publicやmanaged hosted、colocation、telecomなどのクラウドプロバイダーが提供する「ITデータセンターの障害」に関する年次レポート「Critical Update: Uptime Institute 2022 Outage Report」(注1)を公開している。
表面的にはクラウドの運営状況は安定しているように見える。しかし、同レポートの回答者の5人に4人は、2021〜2022年の間で障害を経験したと回答した。
調査対象者の70〜80%が障害を経験しており、2022年は過去最高の数字になった。これらの障害のうち、5件に1件は「深刻または重大」に分類される。
Uptime Institute Intelligenceの創設メンバーでエグゼクティブディレクターのアンディ・ローレンス氏は、「クラウドへの信頼性を判断する際に、稼働時間など1つの指標だけを注視すると大きな問題が覆い隠される」と述べる。
「クラウドの信頼性を測るのは複雑だ。データセンターやITサービスの全体数が増えれば、障害の頻度が増える。一方で、毎年構築される新たなクラウド内のサービスや情報は障害の増加率を上回っている」(ローレンス氏)
クラウドユーザーの懸念点は、「重要なワークロードがさらにクラウドに移行するにつれて、障害が長期間にわたって業務に影響を与えるようになり、修復にかかる費用も増加するのではないか」ということだ。
© Industry Dive. All rights reserved.