世界中の企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を実践する中で、CIOが果たすべき役割はどう変わっていくのか。IDCの調査から、2023年以降のCIOの果たすべき役割や課題を見ていこう。
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IDC Japan(以下、IDC)は2022年1月26日、2023年以降の世界および国内のCIO(最高情報責任者)の取り組みや課題に関する10大予測を発表した。
IDCが2022年7月に世界の企業を対象に実施した調査「CIO Sentiment Survey 2022」によると、世界中のIT役員のうち74%が「CIOの役割を再考すべきだ」と回答している。
「これからの企業はデジタル技術の活用抜きにはビジネス戦略の策定、日々のオペレーション遂行が困難になっていくだろう。すなわち、世界は『デジタルファースト』の時代に入ったといえる。この中で、CIO、ITリーダーは、あらゆる組織において重要性を増している。その一方で果たすべき役割も変わっている」とIDCは解説する
同社は2022年10月、全世界のCIOの取り組みや課題に関する10大予測を「IDC FutureScape: Worldwide CIO Agenda 2023 Predictions」で発表した。また、国内における動向を世界と比較した「IDC FutureScape: Worldwide CIO Agenda 2023 Predictions-Japan Implications」をまとめた。それらで取り上げられたのが次の10項目だ。
IDCはCIOの役割について「ITの調達や構築、運用だけではなくビジネスや業務モデル、従業員エクスペリエンス、サステナビリティなどさまざまな分野に関わっていく必要がある」と述べる。企業や組織がデジタルファーストを推進すればするほど、CIOの役割は広がっていくとしている。
世界と日本を比較すると、4の「デジタル技術、データを活用したレジリエンシー実現」については、日本企業は世界に比べてインパクトが若干小さいとIDCはみている。
CIOが「Chief Business Technology Officer」としてデジタルファースト時代の組織の先頭に立つために果たすべき役割や協業すべき組織内外のパートナーは多くあるという。IDCの寄藤幸治氏(チーフリサーチアナリスト)は「CIOは改めて自らのミッションを見直し、デジタルファースト戦略実行のために直接間接に関わる業務範囲を定義すべきである。組織文化変革といった、これまで全く関与したことがなかった分野にも、人事担当役員などとともに取り組む必要がある」と述べる。
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