日本メクトロンがOCIで統合データ基盤を構築し、効率的なデータ活用を実現

日本メクトロンはOCIで統合データ基盤を構築した。同社はこれによりどのような効果を感じているのか。

» 2023年02月28日 07時00分 公開
[関谷祥平ITmedia]

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 日本オラクルは2022年2月27日、日本メクトロンが同社の販売管理を支援する統合データ基盤を「Oracle Cloud Infrastructure」(以下、OCI)で提供される「Oracle Autonomous Data Warehouse」と「Oracle Analytics Cloud」に加え、「Oracle Essbase」で構築し、2022年10月より稼働開始したと発表した。

 日本メクトロンは販売計画や実績などの膨大なデータを分析し販売および経営管理を行っていたが、近年はよりタイムリーな需要予測や開発の効率化が求められてたという。

日本メクトロンが抱えていた課題とその解決策

 日本メクトロンはグローバル競争の激化の中で、世界の拠点に分散するデータの集約を一元化する必要があった。そのような背景から、明細レベルまで追跡できるようにデータ・レイクハウスとしての活用が可能な統合データ管理基盤を自社構築することを決めたが、そこでは「膨大なデータ処理を行うための高い性能」「複雑かつ多様なデータ分析や可視化を低コストで実現」「システム変更なども業務部門のみで迅速に対応できるように内製化すること」などが要件にあった。

 これらの要件に合うものとして、同社は2022年4月にOracle Autonomous Data WarehouseやOracle Analytics Cloudに加えてOracle Essbaseを選定した。

 日本メクトロンは2022年6月にOracle Autonomous Data WarehouseおよびOracle Analytics Cloudによる新たなデータ分析基盤の構築や移行を完了し稼働を開始した。同社は構築や移行、運用管理を業務部門のみで行っており、数千万円と見込まれた外注費やシステム変更に伴うコストを削減しているという。また、付属のローコード開発ツール「Oracle Application Express」(APEX)で現場担当者がリアルタイムに情報反映を行うための入力フォームを実装し、製品情報のマスターへの迅速な反映や引き合いに関するコメントの共有など、データマネジメントの効率化およびデータ利活用を実現している。

 日本メクトロンの加藤貴史氏(営業本部 営業管理部 部長)は「OCIの分かりやすいインタフェースやOracle Autonomous Databaseの自律機能、ローコード開発ツールの活用で、当社の要件に合った統合データ基盤を迅速に構築できました。新しいデータ基盤を導入することで、移り変わりの激しい市況環境下でタイムリーな分析対応を提供できました。また、OCIは従量制で利用でき、将来的な分析画面の追加やデータ量および利用ユーザー数の増加にもコスト増加の懸念がなく、利用コストの最適化にもつながっています。今回のデータ活用基盤の構築や内製化で蓄積された経験をもとに、新たな要件に合わせた拡張対応や他のシステムでのOCIの活用拡大を検討していきたいと思います」とコメントしている。

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