デジタル庁がガバメントクラウドの利用を促進するために開発したWebアプリケーション「GCAS」に関して、Google Cloudは同社が提供するクラウドサービス「Google Cloud」が開発に利用されたと明らかにした。
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Google Cloudは2023年5月25日、デジタル庁が進めるガバメントクラウドの利用を促進するためのWebアプリケーション「GCAS」(Government Cloud Assistant Service:ガバメントクラウド活用支援サービス)に関して、同社が提供するクラウドサービス「Google Cloud」が開発に利用されたと明らかにした。GCASはデジタル庁主導で開発され、2023年4月から提供を開始している。
今後、省庁や1741の地方公共団体、医療や介護、教育などの「準公共」と呼ばれる分野からのクラウド利用申請が急激な勢いで増加することが予測されている。こうした中、GCASを導入して自動化や効率化を図ることで、デジタル施策を推進する狙いだ。
従来はメール添付などで送付された書類に個別に対応していた。GCASでは書類の受付窓口をWebフォームに一元化することで、送信者・対応者双方の負担減や人的ミスの発生を未然に防ぐことを目指している。
GCASには、以下の5つの機能が含まれている。
「Cloud Identity」で多要素認証や端末の識別を行い、シングルサインオン(SSO)先の制御や管理を行う。各省庁職員に限らず、地方公共団体職員や開発ベンダーも対象としたユーザー認証が可能だ。
GCASにはガバメントクラウドの利用ガイドに関するWebページが用意されており、「Identity-Aware Proxy」でSSO認証を行い、「Cloud Run」上のProxyでアクセスログを取得する。そして「Cloud Storage」に保存されている利用ガイドの静的コンテンツを表示する。
Webフォームアプリを通じてガバメントクラウド利用システムの情報登録と環境払い出し申請が可能になる。Identity-Aware ProxyでSSO認証を行い、Cloud Runや「Next.js」でフォームアプリを実行し、「Firestore」に保存された申請データを「Cloud Scheduler」とCloud Runで定期的に外部に連携する。
ガバメントクラウドに関する問い合わせの受付と回答をWebアプリケーションで管理する。
ガバメントクラウドの利用状況をWebアプリケーションで可視化する。1000以上の環境のクラウド監視メトリクスやログデータを「BigQuery」に収集して「Looker」でダッシュボード化し、庁内別に開発されたBigQueryと連携する。個別のログではなく統計処理されたデータで全体の傾向を把握し、エビデンスに基づくEMBP(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング:証拠に基づく政策立案)を推進する。
GCASは「政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針」に含まれる以下の内容に沿って開発されている。
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