Microsoftが“無料の”AIトレーニングを提供開始 スキル不足に悩む企業の助けとなるかCIO Dive

Microsoftは企業のAIスキル向上のために、無料のトレーニングを提供する。スキル不足に悩む企業はこのトレーニングを利用してAI活用を推進できるだろうか。

» 2023年07月24日 08時06分 公開
[Lindsey WilkinsonCIO Dive]

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CIO Dive

 Microsoftは2023年6月28日、AI(人工知能)スキルのさらなる修得を目的とした新たなAIスキルトレーニングを立ち上げたと発表した。Microsoft傘下のLinkedInとの提携により開発されたこのトレーニングは、LinkedInのトレーニングプラットフォームを通じて無料で提供される。

AIの利用拡大に対応できる従業員の育成が急務 トレーニングの特徴は

 同トレーニングはまずは英語のみで提供され、AIの概念や信頼できるAIのフレームワークといった基本を学べる。全てのトレーニングを終えると、受講者にはキャリアエッセンシャル認定証が発行される。

 AIについて指導できる人材を増やすためにも、教育者向けのトレーニングも後日、提供される予定だ。学校の教育者はもちろん、組織内のトレーナーも対象にしている。

 依然として企業の生成AI導入に対する関心は高いが、AIの活用に必要なスキルを持ち合わせていないケースも多い。MicrosoftをはじめとするITベンダーは、無料のAIトレーニングの提供が企業のAI導入促進につながると期待している。

 Equinixは2023年6月、IT意思決定者2900人を対象に調査を行った(注1)。それによると、ITリーダーの5人に2人以上が「チームの能力がAIの利用拡大に対応できるか分からない」という懸念を示した。

 企業のAIに関するスキル向上に取り組んでいるのはMicrosoftだけではない。

 Googleは2023年5月、無償で利用可能な生成AIのトレーニングコースを公開した(注2)。このコースでは「AIの概念」「画像生成」「画像キャプションモデル」「エンコーダーデコーダーアーキテクチャ」「トランスフォーマーおよびBERTモデル」などを学べる。

 MicrosoftのAIに関するトレーニングは「グローバル助成金プログラム」を用意している。この助成金によって、これまで技術から取り残されていた組織が生成AIを公正かつコミュニティー主導で実装できると期待されている。非営利団体や社会的企業、学術・研究機関は助成金プログラムに応募することが奨励されており、プログラムの適用対象者は2023年の秋に選出される。

 この助成金プログラムのスポンサーはMicrosoftの「AI for Good Lab」やGitHub、data.orgだ。選ばれた組織には財政的支援に加え、「Microsoft Azure」へのアクセスやデータトレーニング、MicrosoftとGitHubのエキスパートによる技術指導が提供される。

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