セイコー、ランサムウェアで約6万件の個人情報漏えい 取引先や採用応募者の情報もセキュリティニュースアラート

セイコーグループはランサムウェア攻撃に遭い、約6万件の個人情報が漏えいしたと発表した。グループ内の個人情報に加え、取引先や採用応募者の情報なども漏えいしたと説明している。

» 2023年10月27日 09時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 セイコーグループは2023年10月25日、同社を標的に実行されたランサムウェア攻撃について第3報を発表し、詳細な情報を公開した。

 同社は、2023年7月28日に第三者による自社サーバへの不正アクセス被害を確認しており、同年8月10日にはその事実を公表していた。

セイコーグループはランサムウェア攻撃被害について詳細な情報を公開した(出典:セイコーグループのWebサイト)

グループの個人情報約6万件が漏えい 取引先や採用応募者情報も

 セイコーグループは2023年7月28日、グループ内の一部のサーバに第三者による不正アクセスが確認されたとし、データセンターに設置されたサーバに対して緊急点検を実施、同年8月2日に外部のセキュリティ専門機関に調査を依頼した。その結果、不正アクセスを受けたサーバに保管されていたセイコーグループの情報の一部が流出した可能性があると説明した。

 同社は2023年8月22日に、インシデントに関する第2報を発表し、原因がランサムウェア攻撃によるものだと公表した。不正侵入を受けてセイコーグループの従業員や関係者の一部情報が漏えいしたという。セイコーグループは対策本部を設置するとともに、複数の外部の専門家に対応支援を依頼し、個人情報保護委員会への報告および警察への相談を実施している。

 今回のランサムウェア攻撃によって漏えいしたデータは以下の通りだ。

  • セイコーグループやセイコーウオッチ、セイコーインスツルが保有する約6万件の個人情報。個人情報には顧客の氏名や住所、電話番号、電子メールアドレスなどが含まれる。報告によるとクレジットカード情報は含まれていない
  • セイコーグループやセイコーウオッチ、セイコーインスツルの取引先担当者の氏名や会社名、役職名、会社住所、会社電話番号、会社の電子メールアドレス
  • セイコーグループやセイコーウオッチ、セイコーインスツルの採用応募者の氏名や住所、電話番号、メールアドレス、学歴など
  • セイコーグループ及び同社グループ会社の従業員や退職者の氏名、人事情報、メールアドレスなど

 セイコーグループは不正アクセスを受けた後、外部との通信を遮断し、EDR(Endpoint Detection and Response)を全てのサーバおよびPCに早急に導入したのに加え、多要素認証による不正アクセス防止措置を取ったとしている。

 今後もIT機器の脆弱(ぜいじゃく)性調査や情報漏えい範囲の特定、原因の追究、セキュリティ強化および監視、IT運営や体制の見直し、全グループでのガバナンスの強化、事業継続計画(BCP)の見直し、第三者評価を実施し、再発防止に向けた取り組みを進める計画だ。

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