バックアップシステム刷新事例 ジヤトコがVeeamを導入してTCOを40%削減セキュリティニュースアラート

ジヤトコはバックアップシステムを再構築するプロジェクトで、Veeam Data PlatformのFoundation Editionを採用した。データ量の増加に伴うシステムやサービスのサイジング、投資計画への影響が課題となっていた。

» 2023年12月11日 07時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 ヴィーム・ソフトウェアは2023年11月29日、ジヤトコが設計やテスト、調達、生産、販売、財務などのデータ管理に関してバックアップシステムを再構築するプロジェクトに「Veeam Data Platform」の「Foundation Edition」を採用したと発表した。

 ジヤトコは日産自動車のグループ会社で、自動車用の電動パワートレインや変速機の設計や生産を手掛けている。

ジヤトコが全社統合バックアップシステムの再構築にVeeam Data Platformを採用した(出典:ヴィーム・ソフトウェアのWebサイト)

ジヤトコのVeeam Data Platform評価ポイントは?

 自動車の主要部品を手掛けるサプライヤーであるジヤトコにとって、設計やテスト、調達、生産、販売、財務などの一連のデータは重要な資産だ。同社は事業継続や法令順守、品質管理、製品トレーサビリティーなどを目的にデータ保全の取り組みを進めている。

 ジヤトコはこれまで、バックアップに専用機器が必要なアプライアンス型ソリューションを利用してきたが、データ量の増加に伴うシステムやサービスのサイジング、投資計画への影響が課題となっていた。同社は数年ごとに更新が必要となるアプライアンスハードウェアのサポート終了のタイミングなどを考慮して2021年7月にバックアップシステムを刷新するプロジェクトを開始した。

 Veeam Data Platformの採用について、ジヤトコはデータ量の増加に対してスケーラブルかつ柔軟に対応できること、物理サーバと仮想サーバなどすでに運用している多数のIT環境に対応できること、バックアップをクラウドにも保存できること、操作性が優れていること、永久増分バックアップによってデータ量を削減できることなどを高く評価したという。

 同社はVeeam Data PlatformのFoundation Editionを採用することで、従来のシステムと比較してバックアップに関する総所有コスト(TCO)を約40%削減できる見通しだと説明している。また、1年半の運用期間中に6000ジョブ/1万2000回以上のバックアップ処理をエラーが発生することなく完了できたとして、安定性の実現やリストア運用負荷の軽減を実現した。

 現在この刷新されたバックアップシステムはデータの保存先としてNetApp製のオンプレミスストレージを使っている。将来的にはクラウドの「Microsoft Azure Storage」への保存も計画している。

 ヴィーム・ソフトウェアの古舘正清氏(執行役員社長)は「近年は、製造業を含むサプライチェーンを担う企業を標的にしたサイバー攻撃も依然として目立っている。Veeamは今後も、世界最高水準のバックアップおよびランサムウェアリカバリーソリューションで、顧客のデータを保護し、事業継続を支える一助となれるよう引き続き支援していく」とコメントした。

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