経営レベルでの実施はわずか16% サステナビリティの“理想”と“現実”

KyndrylはEcosystmが実施した「Global Sustainability Barometer」の調査結果を発表した。85%の企業が持続可能性を重視しているが、実際に取り入れているのは16%にすぎず、統合や実行に支援が必要だという。

» 2023年12月13日 08時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 Kyndrylは2023年12月4日(現地時間)、Microsoftの協力の下、Ecosystmが実施した「Global Sustainability Barometer」の調査結果を発表した。

 Global Sustainability Barometerはアジアや欧州、中東、アフリカ地域(EMEA)、南北アメリカの16カ国のテクノロジーおよびサステナビリティに関する9つの業界のグローバル企業、中小企業のビジネスリーダー1523人を対象に2023年9〜10月にかけて実施した調査だ。

サステナビリティの理想と現実 戦略レベルでの実現はわずか16%

 調査結果によると、85%の企業が持続可能性の目標達成を高い戦略レベルで重視しているが、サステナビリティを戦略とデータに取り入れている企業が16%と少数であったことが明らかになった。

 調査結果の主な内容は以下の通りだ。

  • CEOおよび取締役会はサステナビリティとデジタルトランスフォーメーション(DX)を優先事項としているが、目標を達成するためにはプログラムの統合や実行に関する支援が必要な状況にある
  • 企業の61%がAI(人工知能)を使ってエネルギー使用量を監視しているが、現在のデータを使って将来のエネルギー消費量を予測している企業は34%にとどまっている
  • ステークスホルダーの中でサステナビリティの方針や実践の推進に最も積極的なのは顧客だった。これに従業員や投資家、政府規制当局が続いている

 調査では持続可能な企業を構築していくためのベストプラクティスとして以下の項目を挙げている。

  • CEOおよび取締役会がサステナビリティを優先事項とし、財務および技術と連携する
  • サステナビリティと技術の近代化を進める。持続可能性に対してより現代的な技術を導入して実現する
  • 統合されたデータ基盤を構築する
  • AIを活用してサステナビリティを予測する
  • 人材育成を実施して従業員に権限を与える

 気候変動などの世界的な課題に直面し、企業はサステナビリティに関する取り組みを進めることが急務となっている。しかしCEOや取締役会が認識を持っていても技術との連携が不十分であったり戦略への落とし込みができていなかったりなど、実態が伴っていない現状が明らかにされている。

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