クラウドの影でメインフレームに再評価の兆し いったいなぜか?CIO Dive

多くの企業がメインフレームからクラウドに移行した後の費用の請求に悩まされる中で、オンプレミスデータセンターの価値に対する評価が高まっている。

» 2023年10月20日 07時00分 公開
[Matt AshareCIO Dive]

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CIO Dive

 2023年9月7日(現地時間)に発表されたエンタープライズソフトウェアおよびITコンサルティング会社のBMCの報告書によると、メインフレームに対する評価は上昇傾向にあるという(注1)。

 同社は、800人以上の経営幹部および技術専門家を対象に調査を実施した。この報告書によると、大企業の3分の2がオンプレミスの成長と新たなワークロードの獲得を期待しており、2019年の半数強から増加している。

なぜメインフレームが再評価されているのか?

 同社が年次調査を実施してきた18年間、セキュリティとコンプライアンスはメインフレームユーザーの長年にわたる優先事項であり、加えてメインフレーム利用に関する最大の懸念事項であることに変わりはない。次に重要な課題はコストの最適化で、回答者の約半数が挙げている。

 クラウドへの相次ぐ移行は効率化をもたらし、新たな技術的能力につながるが、IT支出が膨れ上がるケースも多く存在する(注2)。ITリーダーがクラウドコストの抑制に取り組む中、企業技術スタックの主力製品であるメインフレームは、特定のワークロードにとって魅力的な選択肢であり続けている。

 コンサルティング会社のWest Monroeのアドバイザリー兼トランスフォーメーション担当シニアパートナーであるアンディ・シーロック氏によると、クラウド化するために必要な最初の投資は、予想外なほどコストが高かったという。

 「ここだけの話、オンプレミスのデータセンターを効率的に運用していたとしたら、パブリッククラウドはその価格帯には達しない。古いレガシーアプリケーションがクラウドの効率的な動作を妨げているため、リフト&シフトだけを実施すれば赤字になるだろう」と同氏は「CIO Dive」に語った。

 クラウドの学習曲線は、ITリーダーに利用管理の強化や既存のデプロイメントの最適化などメインフレームの価値を再考する必要性を示した。メインフレームのモダナイゼーションの進歩と、オンプレミスとクラウドを統合するハイブリッドソリューションの普及が、企業ITにおけるメインフレームの利用を後押ししている(注3)。

 その他、オンプレミスのエコシステム内でのソフトウェア開発自動化とML(機械学習)分析ツールの採用もメインフレームの評価を回復させるのに役立っている。

 回答者の間で「DevOps」プラクティスの利用率は2019年から12ポイント上昇し、わずか50%から62%に達した。「AIOps」の利用率は、2021年の25%から2023年の調査では32%に増加した。

 BMCのインテリジェントZ最適化とトランスフォーメーション担当のシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーであるジョン・マッケニー氏は、CIO Diveの取材に対し、「コスト削減と効率化のために、企業はデータのバックアップにクラウドストレージを活用している」と話す。

 「従来のバックアップはメインフレーム用の専用ストレージで実施していたが、クラウドに移行しつつある」と同氏は続けている。調査回答者の5人中2人が「自社でクラウドベースのストレージとデータバックアップ戦略を検討している」と回答している。

 しかしBMCによると、メインフレームエコシステム内のデータ量は増加し続けている。回答者の5人中3人は「プラットフォーム上のデータ量の増加を報告し、半数以上が組織で使用されているメインフレームデータベースの数が過去1年間で増加した」と回答した。

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