大幅な人員削減を実施しているAmazonから新たな発表があった。今回対象となったのはAlexa部門だ。人員削減の理由として同社が挙げた「生成AIに注力したリソースと努力の最大化」をどう読み解くべきか。
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生成AI の登場で「AI(人工知能)は人間の仕事を奪うのか」論争が再び活発化している。ただし、見方によっては、人間は既に間接的にではあるが、「AIによって仕事を奪われている」といえるのかもしれない。
Eコマース大手のAmazonが「Amazon Alexa」(以下、Alexa)から数百人に及ぶ人員を解雇する。同社は解雇の理由について「優先事項の変更に伴って幾つかの取り組みを中止し、別の取り組みにシフトするため」としており、シフトする対象として「生成AI」を挙げた。
Amazonが2023年11月17日、また新たな人員削減を発表した。今回対象となったのはAlexa部門における数百人のポジションだ。同社は対象となる正確な人数やAmazonのデバイス事業における具体的な役割、Alexa部門の戦略が影響を受けるかどうかを明らかにしていない。
Alexa関連の人員削減の影響を受けるのは、米国とカナダに拠点を置くAmazonの従業員だ。同社は2023年11月第4週から、インドを含む他国で働く従業員にも通知する予定だ。
「われわれは開発を続ける中で、ビジネスの優先順位や顧客にとって最も重要なことにより合致させるために一部の取り組みをシフトしている。これには、生成AI(人工知能)に注力したリソースと努力の最大化も含まれている」と、Amazonの広報担当者は「Retail Dive」に述べた。
「優先事項の変更に伴って幾つかの取り組みを中止することになった。従業員の貢献に感謝し、彼らの次のステップをサポートしている」(Amazonの広報担当者)
同社は、今回の決定によって影響を受ける人数はデバイスビジネスで働く従業員全体の比較的小さな割合にとどまると述べた。「今回の決断は難しかったが、Alexaの将来はこれまで同様とても明るいと考えている。前進する中で、Alexaがわれわれのビジネスにとって非常に重要な位置付けであることに変わりはない。今後もビジョンを実現するために投資と革新を続けていく」(Amazonの広報担当者)
Amazonによれば、全世界の家庭に5億台以上のAmazon Alexaデバイスが置かれている。
2023年10月26日に開催された第3四半期決算説明会で、Amazonのアンディ・ジャシーCEOは「生成AIへの投資によって、より直感的かつ知的で便利なAlexaを実現するという当社のビジョンにこれまで以上に近づいている」と述べた。同氏によると、ユーザーがより自然な会話的な方法によって同時に複数の要求をできるようにする新しい会話型AI機能をAmazon Alexaは搭載している(注1)。
「われわれは事業の全てで、顧客の可能性を広げるために生成AIアプリケーションを構築している」(ジャシー氏)
Amazonは2023年、今回の人員削減よりも前に数回のレイオフ(一時解雇)を実施している。
2023年1月に実施されたレイオフでAmazonは店舗や人材、(顧客)体験、テクノロジー部門を中心に合計1万8000の職務を廃止する計画を立てた(注2)。同年3月には、さらに9000人のレイオフ計画が発表され、合計で約2万7000人のポジションが削減された。2023年11月17日に確認できた情報によると、Amazonはゲームの開発と外部開発された新作をリリースするAmazon Games部門で約180人を削減した。
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