Cisco、Splunkに続きeBPF技術を提供するIsovalentを買収 その狙いを考察Cybersecurity Dive

CiscoはSplunkの買収に続き、OSSのネットワーキングおよびセキュリティオブザーバビリティベンダーIsovalentを買収することを明らかにした。Isovalentの共同経営者が指摘するその狙いとは。

» 2024年01月28日 07時00分 公開
[Matt KapkoCybersecurity Dive]

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 Cisco Systems(以下、Cisco)は、クラウドにおけるネットワークセキュリティを強化するため、Isovalentの買収に合意した(注1)。取引の条件は明らかにされておらず、Ciscoは2024年4月までに取引を完了する予定だ。

 このオープンソースソフトウェア(OSS)のネットワーキングおよびセキュリティオブザーバビリティベンダーは、拡張バークレイパケットフィルター(eBPF)およびCiliumテクノロジーの開発に貢献し、AmazonとGoogleのマネージド型「Kubernetes」のオファリングで使用されている。Ciscoは、Isovalentの初期の投資家であり(注2)、「同社の技術は『Cisco Security Cloud』を強化する」と述べている。

CiscoのIsovalent買収 狙いはどこにあるのか?

 Ciscoにおいて、セキュリティとコラボレーションに関する業務を担当するエグゼクティブ・バイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーのジートゥ・パテル氏は、次のように話した。

 「アプリケーションや仮想マシン、コンテナ、クラウド資産などがある今日の分散環境において、ネットワーキングとアプリケーションのパフォーマンスを妨げることなく、完全な可視性を持つセキュリティコントロールが実現された状況を想像してみてほしい。CiscoとIsovalentの連携は、これを現実のものとするだろう」

 CiscoによるIsovalentの買収は、同社が2023年9月に280億ドルを投じたSplunkの買収に続くものだ(注3)。この2つの買収は、Ciscoのネットワークセキュリティとオブザーバビリティに関するビジネスの成長の迅速化を促す(注4)。

 Cisco Security Business Groupのシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーであるトム・ギリス氏は、ブログ投稿でeBPFについて(注5)、「これまで不可能だったカーネルレベルでのセキュリティやオブザーバビリティ、ネットワーク機能を可能にする強力なオープンソース技術である」と説明した。

 Ciscoは「IsovalentのOSSへの投資を継続し、各コミュニティーの発展に貢献していく」とコメントした。

 Isovalentの共同設立者兼CTO(最高技術責任者)であるトーマス・グラフ氏は、ブログの中で以下のように述べた(注6)。

 「OSSプロジェクトへの強いコミットメントとともに、当社の製品とOSS戦略を成長させるという明確なビジョンを持った上で、Ciscoが交渉のテーブルに着いたことは当初から明らかだった。OSSは技術を標準化する手段となっており、クラウドネイティブインフラストラクチャも例外ではない」

 取引が完了すると、スイスのチューリッヒと米国カリフォルニア州クパチーノに本社を持つIsovalentは、Cisco Security Business Groupに加わる。

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