Microsoftは「Microsoft Entra Verified ID」に顔認証機能「Face Check」を追加したと発表した。この新機能はプライバシーを尊重しつつ高度な身分証明の検証を可能にする。現在プレビュー版で利用可能。
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Microsoftは2024年2月6日(現地時間)、「Microsoft Entra Verified ID」に「Face Check」と呼ばれる新機能を導入したと発表した。発表時点ではプレビュー版と位置付けられており、この新機能によってプライバシーを尊重した高保証検証のための顔認証機能を利用できる。
社会生活においては運転免許証やパスポートなどが身分証明書として利用可能なことが多い。しかし、デジタルにおいてはこれまで運転免許証やパスポートのような証明書はなかった。Microsoftによると、生成AI(人工知能)の登場によって不正の手口はますます巧妙になっており、本人認証はかつてないほどに重要度が高まっているという。
Microsoft Entra Verified IDはこうした要求に対する同社の取り組みの一つだ。Microsoft Entra Verified IDはオープンスタンダードに基づいた本人認証サービスであり、組織はシンプルなAPIを通じて資格情報を検証できる。現状は192カ国の個人ID属性(運転免許証や生体照合など)を利用可能だという。
Microsoftは、この認証機能のユースケースとして日本における「Skype」の利用を紹介した。SkypeではMicrosoft Entra Verified IDを導入することで不正利用の低減を実現した。この取り組みによって日本におけるSkype電話番号登録の不正利用の90%が削減された。
また、今回導入されたFace Check機能は、ユーザーのリアルタイム自撮り写真と身分証明書(運転免許証やパスポートなど)の写真を照合することで重要な信頼性を追加するというものだ。Face Check自身は一致結果のみを共有し、機密性の高いIDデータ自体は共有しない仕組みを採用している。これによってプライバシー保護を向上させるとともに、組織がIDを主張する人物が当人かどうかを確認できる。
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