AWSが設備投資を加速、クラウド関連売上は900億ドルを突破 その背景は?CIO Dive

Amazonはデータセンターへの設備投資を増やし、2023年のクラウド部門における売上高は900億ドル以上に達した。その背景には何があるのか。

» 2024年03月01日 08時00分 公開
[Matt AshareCIO Dive]

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 Amazonはデータセンターへの設備投資を増やす予定だと、CFO(最高財務責任者)のブライアン・オルサフスキー氏が2024年2月1日(現地時間、以下同)の決算説明会で述べた(注1)。

 同社の2023年第4四半期および通期のクラウド売上高は前年同期比13%増加(注2)。AWS(Amazon Web Services)部門の売上高は、2023年12月31日までの3カ月間で242億ドル、通期にして908億ドルだった。

AWSの設備投資 その背景にある企業の動きとは?

 インフラ支出を補うために、同社はクラウドサーバの耐用年数を1年間延長した。これによってAWSは2024年1月から6年間ハードウェアを使用し続けることになり、約10億ドルのコスト削減が見込まれる。

 AWSは2023年、景気減速の影響を軽減するために、顧客のクラウド費用最適化の支援に注力した(注3)。2022年には前年比29%増だったクラウドの収益成長率は、それに応じて低下した(注4)。

 オルサフスキー氏によると「マクロ的な見通しがより良好になったことに加え、生成AIへの期待の影響もあり、企業のモダナイゼーションへの意欲が再燃している」という。

 「コスト最適化の効果が減少傾向にあるのは確かだ。こうした最適化が一段落するにつれ、より多くの企業が新たな取り組みに目を向け、既存システムの移行に再び注力し始めている」(同氏)

 Amazonは2023年12月にデータセンターの容量を拡大するため、カナダ西部にクラウド設備を開設し、12のアベイラビリティゾーンと4つのクラウドリージョンを追加する計画を発表した(注5)。

 オルサフスキー氏によると、既存のインフラにAIワークロード用のキャパシティを構築することも優先事項だという。

 「リージョン拡張に向けAWSのキャパシティ向上のため、設備投資は増えると予想しているが、主に生成 AI プロジェクトで行っている作業によるものだ」(オルサフスキー氏)

 この技術はまだ主な収益源ではないが、同社は生成AIを使ったクラウドによる収入が増加すると予想している。

 Amazonの社長兼CEOアンディ・ジャシー氏は2024年2月1日「当社の生成AIによる収益を絶対数で見るとかなり大きな数字だ。しかし、年間売上高1000億ドル規模のビジネスから見ればまだ相対的に小さい。また、今後数年間で数百億ドル規模の売上高に達することが期待されるが、それと比較してもはるかに小さい」と述べた。

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