在庫管理の基本のキ 7つの“できていてほしいこと”(2/2 ページ)

» 2024年03月13日 08時00分 公開
[Paul MaplesdenTechTarget]
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5.システム間の連携

 在庫管理の成否は、複数のシステムやプロセスの統合にかかっている。サプライチェーンの全体が可視化されれば、製造や輸送、在庫の調達の確実な効率化に役立つ。企業のERPシステムは、財務や必要な人員、業務上のニーズについてインサイトを提供できる。

 倉庫管理システム(WMS)には在庫管理に対応できるものが多いが、対応していない場合は在庫管理システム(IMS)を会社の既存のWMSと統合するのがいい。WMSと共に輸配送管理システム(TMS)を利用すれば、商品の到着予想時刻に関する情報も手に入れられる。

 サプライチェーンの他の関係者やサードパーティーの技術と統合するのも極めて重要だ。自社のIMSと他社の製造プラットフォームなどとのあいだで情報をやりとりできる仕組みを設けるべきだ。

6.定期的な棚卸し

 不適切な保管やピックアップ時の間違い、盗難など複数の問題でIMSの倉庫データと実際に倉庫に保管されている製品数のあいだに食い違いが生じる場合がある。定期的な棚卸しは、これらの問題の早期発見に役立ち、従業員が問題の原因に対処する助けになる。

 効果的な棚卸しの戦略の一つが、循環棚卸(サイクルカウンティング)だ。この方法では、需要や価格などの要因に応じて製品を分類し、従業員が各製品ラインの数をカウントする頻度を示す優先リストを作成する。従業員は優先順位が最も高い製品の点数を数え、必要に応じて下位の製品に移る。

7.繁忙期に向けた計画の立案

 多くの業界には、特定の製品の需要が高くなる繁忙期がある。例えば、欧米ではホリデーシーズンの到来により、11月中旬から12月下旬に消費財の繁忙期が訪れる傾向がある。

 企業は自社が属する業界の繁忙期に適切に備えなければならない。具体的には、繁忙期に適切な人数の従業員が勤務するよう取り計らう、リードタイムを短縮する、繁忙期を需要予測に組み込むなど、複数の戦略が考えられる。

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