OracleとGoogle Cloud、「Oracle Database@Google Cloud」を開始 ユーザーのメリットは?

OracleとGoogle Cloudは米国および欧州の4つのGoogle Cloudリージョンで「Oracle Database@Google Cloud」を提供開始すると発表した。ユーザーのメリットは何だろうか。

» 2024年09月12日 07時00分 公開
[大島広嵩ITmedia]

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 OracleとGoogle Cloudは2024年9月9日(現地時間)、米国および欧州の4つの「Google Cloud」リージョンで「Oracle Database@Google Cloud」を開始すると発表した。

 これにより、顧客は米国東部(アッシュバーン)、米国西部(ソルトレイクシティー)、英国南部(ロンドン)およびドイツ中部(フランクフルト)のGoogle Cloudデータセンターで、「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)の「Oracle Exadata Database Service」「Oracle Autonomous Database」および「Oracle Database Zero Data Loss Autonomous Recovery Service」を利用できるようになる。

Google CloudのデータセンターでOCIを稼働する意味

 Oracle Database@Google Cloudによって、顧客はGoogle Cloudのデータセンターに導入されたOCIで稼働する「Oracle Database」サービスに直接アクセスできるようになる。これにより、Oracleのデータベースと「Oracle Exadata」の技術を活用し、イノベーションを加速させられる。

 また、Google Cloudの「Oracle Linux」でアプリケーションを実行することも可能となり、Oracle LinuxのイメージはGoogle Cloudの仮想ディスクイメージのインポートプロセスを通じて導入できる。今後12カ月以内には、「Google Compute Engine」におけるOracle Linuxイメージのプロビジョニングがさらに効率化されるという。

 さらに、Google Cloudの「Vertex AI」や「Gemini」基盤モデル、「Oracle Database 23ai」などの生成AI機能を組み合わせることで、OCIの機能と価格を維持しつつ、2つのクラウドを統合して運用することが可能となり、より迅速なインサイトを得られるようになる。

シンプルなクラウド購入および管理を実現

 Oracle Database@Google Cloudにより、顧客はOracle Databaseを活用して、新しいクラウドアプリケーションを容易に作成できる他、シンプルなクラウド購入および管理により、既存のOracleのデータベースやアプリケーションをGoogle CloudのOCIに移行できる。

 例えば、既存のGoogle Cloudコミットメントを使用してOracle Databaseのサービスを購入し、BYOL(Bring Your Own License)や「Oracle Support Rewards」などの特典を活用することが可能だ。「Oracle Exadata Database Service」「Oracle Autonomous Database」「Oracle Database Zero Data Loss Autonomous Recovery Service」は、プライベートオファーによるカスタム見積もりで利用でき、Oracle Autonomous Databaseは使用量に応じた価格設定で、数分でフルマネージドのデータベースを導入できる柔軟性も提供されている。

データベースアプリケーションの管理を簡素化

 Oracle Database@Google Cloudは、Oracleのデータベースやトランザクション処理、サプライチェーン管理のデータウェアハウジングと分析、金融サービスにおけるリアルタイムトランザクション処理などのデータベースアプリケーションの管理を簡素化し、クラウド移行の加速を支援するよう設計されている。その他のメリットとしては以下が挙げられる。

  • オンプレミスのOracle DatabaseやOracle Exadataとの互換性により、ワークロードのデプロイと統合が簡素化される
  • 「Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure」「Oracle Autonomous Database」「Oracle Exadata Database Service on Exascale Infrastructure」「HeatWave MySQL」「Oracle Database Zero Data Loss Autonomous Recovery Service」「OCI GoldenGate、Oracle Data Safe」など、多くのOCIデータベースサービスをGoogle Cloud内の統一された運用環境で提供することでシンプルさやセキュリティ、低レイテンシを実現
  • Google Cloudのコンソール、API、モニタリング、運用とネイティブに統合
  • 既存のGoogle Cloudコミットを利用してOracle Databaseのサービスを購入可能な「Google Cloud Marketplace」を介したシンプルな購入と契約
  • Google CloudとOracleによる統合されたカスタマーエクスペリエンスとサポートの提供
  • OCIやOracle DatabaseとGoogle CloudのGemini基盤モデル、「Vertex AI」「BigQuery」「Looker」などを統合し、クラウドでのブレークスルーを推進し、インサイトを加速
  • データアプリケーション統合などのユースケースを支援する「Oracle Interconnect for Google Cloud」を通じて、OCIへのプライベートかつ高速な接続を提供

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