Microsoftは「Secure Future Initiative」の一環として多要素認証を全テナントでデフォルトで有効にし、セキュリティ基準を強化すると発表した。この変更に伴い14日間MFAの登録を先延ばしできた以前のオプションは廃止される。
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Microsoftは2024年10月30日(現地時間)、「Microsoft Entra」テナントにおいて多要素認証(MFA)をデフォルトで有効化することを発表した。2024年12月2日以降に作成される全ての新規テナントに反映される予定で、2025年1月からは既存のテナントにも順次展開される。
今回のMFA有効化は、Microsoftが2024年の初めに発表した社内外のセキュリティ文化を抜本的に見直す取り組み「Secure Future Initiative」の一環とされている。
Microsoft Entraの新しいテナントでは既に「セキュリティデフォルト」が有効になっており、IDやリソースの基本的な保護が提供されている。さらに今回のアップデートによって全てのユーザーは初回ログイン時にMFAの登録が必要になった。この変更に伴い14日間MFAの登録を先延ばしできた以前のオプションは廃止される。Microsoftはこの措置によって初期設定段階でアカウントの安全性を確保し、IDベースの攻撃の99.2%以上をブロックできるとしている。
Microsoftはこの変更について、顧客に安全で信頼性の高いIDサービスを提供するための継続的な取り組みの一環としている。また、条件付きアクセス機能を使用していない組織に対して、セキュリティデフォルトによる簡便かつ効果的な保護が提供されるとし、セキュリティデフォルトを積極的に利用することを推奨している。
Microsoftの今回の対応はセキュリティリスクの増大に対するデフォルトのセキュリティ基準を強化するものとなっている。特に従業員がさまざまなデバイスやリモート環境からアクセスする現代の企業環境において、MFAによる本人確認は企業のセキュリティ基盤において重要な構成要素となる。
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