Amazon Web Servicesは新たなAWSネイティブサービスである「Amazon Elastic VMware Service」(Amazon EVS)を発表した。リファクタリングや再プラットフォーム化なしでAWSのスケールメリットが得られるとしている。
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Amazon Web Services(以下、AWS)は2024年11月25日(現地時間)、新サービス「Amazon Elastic VMware Service」(Amazon EVS)のプレビューを公開した。
AWSのスティーブン・ジョーンズ氏が公開したブログ記事によると、AWSは従来「VMware Cloud on AWS」のようにVMwareと共同開発サービスを提供してきたが、今回発表されたAmazon EVSはAWSネイティブなサービスとして提供される。
同サービスを利用すると、VMware環境ベースのワークロードをAWS環境の他のアプリケーションと同時に運用できるようになる。セットアップの簡素化や、オンプレミスからのスムーズな移行を支援する機能も提供する。
プレビュー版で提供されるAmazon EVSは、Amazon VPC内で「VMware Cloud Foundation」(VCF)を実行するネイティブなAWSサービスだ。VCFライセンスのポータビリティ資格を活用してオンプレミスで使用しているのと同じVCFソフトウェアを使った仮想マシン環境をAWSで実現する。
これにより、既存のワークロードをリファクタリングや再プラットフォーム化することなく、AWSの持つ俊敏性、スケーラビリティ、コスト削減といった特長を享受できる。
本サービスはセットアップの簡素化にも焦点を当てている。ガイド付き構成と自動デプロイメント機能を通じて、数時間以内に完全なVCF環境を構築できる。また特定のワークロードに合わせて高度に最適化されたインフラ構成する柔軟性があるとしている。
アプリケーションのクラウド移行に当たってはIPアドレス割り当ての問題が課題になりやすく、従来はアプリケーション改修を避けて「VMware HCX」のL2延伸を使ったハイブリッド構成を活用するユーザーが多かった。Amazon EVSはこの点にも配慮した設計になっているという。AWSでは、移行するに当たってはスタッフの再トレーニングや運用ランブックの書き直しをせずにオンプレミスネットワークを拡張してワークロードを移行が可能だとしている。
また、バックアップや災害復旧、ストレージ用のサードパーティーツールなど使い慣れた既存のVCF機能をそのまま活用できる点も強調されている。
Amazon EVSは、2024年の「re:Invent」でプレビュー版として初公開される予定となっている。詳細情報やサービスの具体的な機能については、同イベントでのセッションで直接またはオンラインで確認できる。
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