AWS re:Invent 2024のDay2はAI関連で18もの発表があった。Amazon SageMakerではAIの大規模運用を想定した最適化が図られるようだ。
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Amazon Web Services(以下、AWS)は2024年12月2〜6日(現地時間)にかけて、米ラスベガスで年次イベント「AWS re:Invent 2024」を開催している。
Day2の基調講演では、同社でAIおよびデータ担当バイスプレジデントを務めるスワミ・シヴァスブラマニアン氏が登壇し、AWSにおけるAI関連の取り組みと、18個の新サービスについて発表した。
本稿はこのうち「Amazon SageMaker HyperPod」のアップデートをまとめる。
スワミ・シヴァスブラマニアン氏。シヴァスブラマニアン氏は冒頭で、「AIによって世界的に新たな常態と急速なイノベーションが持ち込まれたことにより、今年は混乱を伴う記念すべき年になる」と指摘した。その上で、業界全体で新しい生成AIツールが効率性と創造性を推進すると語った。AWSの取り組みは、革新的なAI技術を通じて顧客価値を最大限に高めることになる(AWSの公式動画より)AWSは2023年のre:Inventで「Amazon SageMaker HyperPod」を発表した。SageMakerはAIモデルの構築からトレーニング、デプロイまでをサポートするフルマネージドサービスであり、SageMaker HyperPodにおいてはSageMaker上での大規模な機械学習モデルのトレーニングを簡単に実施できる仕組みを提供する。
これによってユーザーは、独自の機械学習モデルを使ったアプリケーションを手軽に構築できるようになった。
しかしモデルが高度化するにつれて、コンピューティングリソースの消費量の増加や、エネルギー消費量の増大、データポリシーの適切な設定など、多くの問題が表面化するようになり、「現在のトレーニング手法を大幅に見直す必要がでてきた」とシヴァスブラマニアン氏は指摘する。
そこでAWSは、SageMaker HyperPodに新たに2つの新機能を発表した。
「SageMaker HyperPod flexible training plans」は、機械学習モデルのトレーニングプランを自動的に作成してくれる機能だ。期間と予算に基づいて最適なトレーニングクラスターを自動的に設定し、チェックポイントやインスタンスの中断を自動的に処理するため、トレーニングにかかる手間とコストを大幅に削減できる。
「Amazon SageMaker HyperPod Task governance」は、モデルのトレーニングやファインチューニング、推論などにおけるコンピューティングリソースの使用率を管理する機能だ。これを利用することで、モデル開発全体におけるリソース使用を最適化できるようになる。
上記に加えてAWSは、SageMaker内でAWSパートナーのAIアプリを利用可能にするアップデートも発表した。これはフルマネージドサービスであり、プロビジョニングや運用のためのインフラは不要で、すぐにサードパーティーのAIアプリを利用できる。
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