CiscoのSplunk買収は“大成功”? セキュリティ関連の売上高を公開Cybersecurity Dive

Ciscoのセキュリティに関連する売上高は2025年度の第1四半期において、前年同期比100%増の20億ドルだった。Splunkの貢献がなければ同社の売り上げはどの程度減少していたのだろうか。

» 2024年12月07日 07時00分 公開
[Matt KapkoCybersecurity Dive]

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Cybersecurity Dive

 Cisco Systems(以下、Cisco)がSIEM(Security Information and Event Management)製品などを提供するSplunkを280億ドルで買収した効果は(注1)、決算にすぐに表れた。これは同社の見通しにおけるセキュリティの重要性を強調している。今回の買収はCiscoの40年の歴史の中で最大のものであり、2024年3月に完了した。

Splunkの買収はCiscoの成長戦略に不可欠 買収の影響を除いた売上高は?

 2024年10月26日(現地時間、以下同)に終了したCiscoの2025年度の第1四半期において、セキュリティに関連する売上高は前年同期比100%増の20億ドルであり(注2)、製品の売上高全体の20%を占めた。Splunkの寄与を除くと、セキュリティに関連する売上高は2%増であった。

 2024年11月13日の決算説明会で、Ciscoのチャック・ロビンス氏(会長兼CEO)は「セキュリティ分野の成長に寄与している要因は多岐にわたる。市場やアナリスト、顧客は今日のセキュリティが数年前とは根本的に異なると考えている」と語った。

 CiscoはSplunkの買収という大掛かりな決断を(注3)、大規模な自社のビジネスを成長させ、サイバーセキュリティ市場でより幅広い機会を獲得するためのチャンスと位置付けている。

 このような目標に向けて進歩を遂げているCiscoだが、コアネットワーキングビジネスは依然として減少を続けている。コアネットワーキングビジネスに関連する売上高は23%減の68億ドルだった。

 Ciscoの決算書によると、総売上高は6%減の138億ドルで、Splunkの買収による影響を除くと総売上高は14%減少しているとのことである。

 調査企業であるZK Researchのゼウス・ケラヴァラ氏(創設者兼プリンシパルアナリスト)は「セキュリティファーストへのシフトはCiscoの未来において重要だが、完全には達成されていない」と述べた。

 「セキュリティはCiscoにとって最大のチャンスだ。セキュリティの領域は巨大で断片化された市場である。ネットワーキングとセキュリティに、Splunkのビジネスを活用した可視化を結び付けることができれば、Ciscoは同市場において独自のポジションを獲得できるだろう」(ケラヴァラ氏)

 Ciscoは「第1四半期におけるセキュリティビジネスは、Splunkから提供を受けた脅威インテリジェンスの成長によって推進され、クロスセリングの機会が継続して生まれている」と述べた。

 「現在、セキュリティとネットワーキングのポートフォリオ全体で、CiscoとSplunkの間で12件のデータ統合が更新されている」(ロビンス氏)

 なお、Ciscoは、DeepFactorとRobust Intelligenceという2つのセキュリティ企業も第1四半期に買収している。

(注1)Cisco’s big bet on Splunk accelerates market shifts(Cybersecurity Dive)
(注2)CISCO SYSTEMS, INC.(SEC)
(注3)Cisco to buy Splunk for $28B(Cybersecurity Dive)

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