2025年は「AI PC元年」か NIMから取り込んだAIモデルをローカルPCで活用可能に技術トレンド

NVIDIAはCES 2025でRTX AI PC向け新基盤モデルを発表した。NIMマイクロサービスにより、AI推論性能が2倍向上したGeForce RTX 50シリーズGPUで動作。デジタルヒューマンやコンテンツ制作を支援するAI Blueprintも提供される。

» 2025年01月10日 15時29分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。

 NVIDIAは2025年1月6日、CES 2025においてRTX AI PC向けに設計された新しいAI基盤モデルを発表した。

 NVIDIA RTX AI PC上でローカルに実行される基盤モデルはデジタルヒューマンやコンテンツ制作、生産性向上、開発支援を目的としている。マイクロサービスとしてAIモデルを提供する「NIM」が利用でき、ローカル環PCでAIを実行しやすい環境を提供する。PCは推論の実行性能を重視しており、広範囲でのAIワークフロー実行を支援する構成になっている。

CESの基調講演で登壇するNVIDIA CEOのジェン・スン・フアン氏(出典:NVIDIAのWebサイト)

NVIDIA RTX AI PC上で実行可能なAI基盤モデル、「NVIDIA NIM マイクロサービス」および「 AI Blueprint」

 今回発表された基盤モデルはNVIDIA NIMマイクロサービスとして提供され、最大3352兆演算/秒のAIパフォーマンスと32GBのVRAMを備えた新しいGeForce RTX 50シリーズGPUで動作する。このGPUは最新のNVIDIA Blackwellアーキテクチャを採用しており、FP4演算のサポートを追加。前世代と比較してAI推論性能が2倍に向上し、より小さなメモリフットプリントで生成AIモデルをローカル実行可能にしている。GeForceはAI開発者にとって長年重要なプラットフォームであり、2012年にはGeForce GTX 580を用いて最初のGPUアクセラレーテッドディープラーニングネットワークであるAlexNetがトレーニングされた実績がある。また2024年に公開されたAI研究論文の30%以上でGeForce RTXが引用されている。

 NIMマイクロサービスは新しいローコードやノーコードツール(AnythingLLM、ComfyUI、Langflow、LM Studioなど)と連携し、複雑なAIモデルを簡単に利用可能にする。さらにNIMマイクロサービス上に構築されたNVIDIA AI Blueprintはデジタルヒューマンやコンテンツ制作向けに事前構成されたリファレンスワークフローを提供する。

 NVIDIA NIMマイクロサービスおよびAI Blueprintは2025年2月から利用が可能になるとされ、Acer、ASUS、Dell、HP、Lenovoなどの主要PCメーカーやシステムビルダーを通じて「GeForce RTX 50」シリーズGPUを搭載したNIM対応RTX AI PCとして市場に展開する。今後、追加のGPUがサポートされる予定でAIを活用した新しいワークフローが広がることが期待されている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.