「VMware問題」に対する解決策が続々と登場している。HPEは既存のラインアップに加えて新たなソリューションを日本国内でも展開する。ターンキー型のAIインフラやフルマネージドサービスも展開する。
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HPEは2025年2月から「HPE VM Essentials」と「HPE Private Cloud AI」の日本市場での提供をスタートさせた。2024年に買収したMorpheusの技術を生かし、製品体系改定の影響が大きかったVMwareユーザーの移行ニーズに応える。両製品は今後、「HPE Private Cloud」からも提供する。
VM Essentialsは、KVMをベースとしたVMware互換ハイパーバイザーだ。価格は未定だが、日本ヒューレット・パッカードの小川大地氏(ハイブリッドソリューションズ事業統括本部 GreenLakeビジネス本部 ビジネス開発部 部長)は「従来のVMwareライセンス体系のコアユーザー層のIT予算で賄えるレベルに抑えた」としている。
「必要十分とされる機能を、満足される価格で。価格は「CPU当たり年間10万円台で提供したいと考えている」(小川氏)という。
機能面でも「おおよそ必要とされる機能は揃えた」(同氏)としており、まずはソフトウェアスタンドアロン版を2025年2月末から提供している。
既存のVMware環境からの段階的移行も考慮しており、KVMだけでなくESXi環境も一律で管理できる他、VMイメージをHPE VM Essentials向けに変換する機能も提供する。
VMware Essentialsはスタンドアロンで提供する他、HPE Private Cloudソリューションとしても提供される予定だ。「Morpheus PlatformOps」にアップグレードすれば、クラウド環境全体の包括的な管理やガバナンス、コスト管理などの機能も利用できる。
同製品のターゲットは「仮想化ソフトウェアのStandardレンジ」(同氏)だ。
2024年に買収したMorpheus Dataが持つKVMとVMware管理技術をベースにしている。KVMだけでなくVMwareにも対応するため、既存環境の段階的移行やVMwareとVMEの併用にも対応する。HPE Zertoを使ったオンライン移行や一括以降にも対応する。バクアップソリューションとしても自社の他VeeamやCohesity、Commvaultなどのソリューションも併せて提供可能だ。
VMware Essentialsのラインアップとリリース予定は以下の図の通りだ。
HPE Private Cloud AIはNVIDIAと共同で開発した「フルスタックでAI実行環境を提供できるプロダクト」(日本ヒューレット・パッカード 執行役員 ハイブリッドソリューションズ事業統括本部長 吉岡智司氏)だ。ターンキー型で提供される。
NVIIDIA NIMを活用し、ローコード/ノーコードでAIアシスタント開発が可能だ。IT運用ワークロードとIT効率向上を支援する「OpsRamp AIコパイロット」を搭載する。加えてHPE Financial Servicesを適用し、調達ハードルを下げる。
NVIDIA EnterpriseとNVIDIA GPUを搭載する他、「HPE AI Essentials」として、データエンジニアリング向けにprestoやAirflow、分析、可視化にはSupersetやSpark、データ分析向けにはMLflowやKubbeflowが搭載可能だ。さらにフルマネージドのサービスも提供する。
HPE Private Cloud AIのエコシステムパートナーにはデロイトなどがグローバルでSIパートナーになる他、日本国内ではSCSKも名を連ねる。
【訂正のお知らせ】HPE VM Essentialsの提供価格について。本稿掲載時、「10万円台」としていましたが正確には「CPU当たり年間10万円台」です。訂正してお詫び申し上げます。04 Mar 2025 17:22:49 +0900
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