DeNAはCloudflareのゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)サービスおよびアイデンティティーアクセス管理(IAM)製品「Cloudflare Access」を導入した。導入前はテレワーク時のVPN接続問題によってヘルプデスクの負担が大幅に増加していた。
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Cloudflareは2025年3月12日、ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)が、同社のゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)サービスおよびアイデンティティーアクセス管理(IAM)製品「Cloudflare Access」を導入したと発表した。
DeNAではハイブリッドワークが採用されているが、2023年にVPN接続に関連する問題が増加し、従業員が社内リソースにアクセスできない事象が多発していた。これによって生産性が低下するだけではなく、社内のヘルプデスク宛てに「社内ネットワークにアクセスできない」という問い合わせ数が増加することにも悩まされていたという。
これまで使用していたVPNソリューションは、標準製品とカスタムソリューションを組み合わせて運用していたため、内蔵型のセキュリティ制御の機能は限定的だという課題があった。
DeNAはVPN接続の問題を解決するソリューションを探し、複数のプロバイダーを検証した結果、CloudflareのZTNAサービスとCloudflare Accessを導入し、VPNの置き換えを開始した。
DeNAの酒井勝洋氏(IT戦略部システム基盤グループ)は採用の理由について「当社のエンジニアが、Cloudflareとの契約を締結する前に同社の無料VPNサービス『Cloudflare WARP』をテストしたところ、接続の安定性が高く、切断もなかったと分かった」と述べている。
同社はCloudflare Access導入後、既存のVPNからの移行を進めている。酒井氏は、「Cloudflare導入後からVPN関連の問題を解決するための時間は大幅に短縮され、以前は解決できなかった問題も解消されるようになった」としている。実際にVPN関連の問題解決にかかる平均時間は82%短縮され、月平均で400時間以上の時間削減を実現した。
DeNAはネットワークの安定性と信頼性の問題解決に加え、データのセキュリティおよびプライバシー対策についても強化を検討していた。医療分野のさまざまなアプリケーションやサービスを提供しており、機微医療データも取り扱っているためだ。
DeNAはCloudflareのSASE(Secure Access Service Edge)プラットフォームで、自社のネットワークとアプリケーションに接続する各デバイスの可視化に取り組んだ。これによって、社内ヘルプデスクのトラブルシューティングを実施するだけでなく、潜在的なサイバー脅威を効果的に特定し、問題解決できるようになった。この他、Cloudflareのポリシーセットアップやセキュリティリスク管理、URLフィルタリング機能を活用し、マルウェアやサイバー脅威からユーザーを保護しているという。
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