受注管理システムの導入を成功させることは簡単ではないが、提案依頼書(RFP)を活用することで市場の動向や主要な選択肢について理解を深められる。RFPに記載すべき内容を学び、導入を成功させよう。
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受注管理システム(OMS:Order Management System)とは、顧客からの注文を受け、それを処理、管理する業務を自動化、効率化するためのシステムだ。
OMSの選定の際は、提案依頼書(RFP)を活用することで市場の動向や主要な選択肢について理解を深められる。また、RFPの前段階として、情報提供依頼(RFI)や見積もり依頼(RFQ)をする場合もある。RFIは、各ベンダーに対して具体的な機能やサービス内容の情報提供を求めるものであり、RFQは価格情報の提示のみを求めるものだ。
受注管理システムを選定する際にRFPに記載すべき内容を学び、導入を成功させよう。
RFPは法的な文書だ。ソフトウェアを購入するチームがベンダーの候補にRFPを発行する前に、組織の法務部門はそれを注意深くレビューすべきだ。ベンダーの提案内容とその法的な文言は、顧客ではなくベンダーの利益を図るために設計されている。RFPには、運用要件や技術要件だけでなく、法的要件も明記しなければならない。以下はOMSのためのRFPに記載すべき内容だ。
このセクションでは、ソフトウェアを購入するチームが所属する企業に関する説明がされ、提案を募集している理由も説明される。OMSを求める理由、組織が現在どのように注文を処理しているかの説明、ソフトウェアを購入するチームが新しいOMSが自社にどのような利益をもたらすことを期待しているかなどの内容が含まれる。
購入組織が既にOMSを使用している場合、このセクションでは現在のシステムをアップグレードまたは交換する必要がある理由を説明すべきだ。現在のOMSがオンプレミスシステムである場合、このセクションには、そのパフォーマンスの簡単な説明も含める必要があり、該当する場合は組織がクラウドサービスを検討することに前向きであることにも言及する必要がある。
このセクションでは、提案書の提出期限、提案書に記載すべき情報、不適切な提出がなされた、または提出が遅れた場合の罰則、入札者による現地プレゼンテーションの可能性や複数の入札者が参加する入札者会議の詳細、その他の重要な要件など、ベンダーにとっての重要情報が提供される。
このセクションでは、入札者に提案書の構成方法を指示する。提案書には以下のセクションを含められる。
提案書には、入札者の財務状況や市場での存在感、競争上の地位、その他の関連する判断基準など、ソフトウェアを購入するチームが評価プロセスで使用できる情報も含まれる場合がある。
このセクションでは、ソフトウェアを購入するチームが新しいOMSに求めるシステム要素や機能について説明がされる。
ここで詳細を記載することは非常に重要だ。特に他のシステムとの相互運用性やネットワーキングの要件、スケーラビリティに関する内容が該当する。組織が新しいOMSに求める機能には、注文処理やピッキング、梱包、出荷、注文処理のパフォーマンスに関するデータ提供などの要素が含まれる可能性がある。
RFPのこの部分には、購入企業が新しいシステムに求めるOMSの機能とその詳細が記載される。それには、企業が絶対に必要とするものもあれば、あるとよいと考えられているものもある。OMSの基本的な機能は次の通りだ。
このセクションでは、各ベンダーが対応しなければならないさまざまな要件を規定している。ソフトウェア購入チームが含める可能性のある条件には、以下のようなものがある。
このセクションでは、提案の作成および提出プロセス中にベンダーに関連する全ての日付を明示している。
これらの日付には、提案書の提出期限、入札者からの質問とその回答、入札者のデモンストレーション、入札者会議、ソフトウェア購入チームによるベンダー選定と契約締結の予定日などが含まれる。
このセクションでは、ベンダーが資格と経験を示し、ビジネス資格情報を提示する。会社名や住所、Webサイト、DUNS番号、納税者番号、会社の沿革と現状、従業員数、提案されたソフトウェアのユーザー数、下請業者の使用状況などが含まれる。
このセクションでは、入札者が自らの提案がRFPの要件を満たす理由を説明し、正式な提案を提示する。また、このセクションには、システムの各側面についてベンダーに詳細を求めるアンケートが含まれる場合もある。
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