Anthropicが2025年秋にも日本法人を設立することが分かった。同社が語る日本法人設立の目的とミッションとは。
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生成AI「Claude」シリーズやオープンプロトコル「MCP」を手掛ける米Anthropicは2025年6月25日(現地時間)、日本法人を設立し、アジア太平洋地域初の本格的な事業拠点として東京オフィスを開設することを発表した。2025年秋にも開設する予定だ。
Amazon Web Services(AWS)が開催した「AWS Summit Japan 2025」の基調講演に登壇したケイト・ジェンセン氏(グローバル営業統括責任者)は「日本のために、日本とともに、そしてAWSを重要なパートナーとして開発を進める」と意気込みを述べた。
ジェンセン氏は日本法人設立の背景について「日本にはイノベーションの長い歴史とテクノロジーへの強い志がある。誠意ある事業への取り組み方に感銘を受けており、今後も積極的な投資を行いたい」と語る。
同氏は、日本法人設立後の取り組みとして「ローカルでの顧客サポート、特に技術サポートの強化」を挙げ「まずはスモールチームで発足し、できる限り多くのことを学びながら成長していきたい」と方針を示した。
AnthropicのClaudeは、楽天グループが複雑なコーディングに活用して開発者の生産性を向上させている他、野村総合研究所(NRI)では日本語の文章解析にかかる時間を大幅に短縮するなど、国内でも導入事例が広がっている。2024年1月にはパナソニックとの戦略的パートナーシップも発表しており、日本法人の設立によって、こうした企業へのサポート体制がより強固なものになる見込みだ。
同イベントの別のセッションでは同社のジェレミー・ハッドフィールド氏(技術スタッフ)も登壇し、「日本はAnthropic製品の普及率が高く、Claudeの『Maxプラン』(最上位の料金プラン)の採用率が非常に高い。米国以外の代表的な市場になっている」と語る。
生成AIの社会実装が本格化する中、Anthropicの日本法人設立は、日本の産業界におけるAI活用をさらに促進させる起爆剤となりそうだ。
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