iOS版Chromeに業務・個人アカウント切り替え機能が登場セキュリティソリューション

Googleは、iOS版Chromeに業務用と個人用アカウントの切り替え機能を導入し、ブラウジングデータの分離を実現した。企業は業務データの安全性を確保しやすくなる。モバイルセキュリティ機能の強化も実施された。

» 2025年07月24日 07時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 Googleは2025年7月22日(現地時間)、「iOS」版の「Google Chrome」において、業務用アカウントと個人アカウントのシームレスな切り替え機能を導入し、企業用のモバイルデバイスへのセキュリティ機能を強化したと発表した。

Chrome Enterprise、iOSでも業務データと個人データを分離可能に

 「Chrome Enterprise」は従来、企業がユーザーをWebブラウザレベルで管理できる手段を提供してきた。デスクトップ環境では業務用と個人用の情報を分離可能であり、「Android」では業務用プロファイルと個人用プロファイルを切り替える機能が活用されている。今回のアップデートにより、iOSにおいても同様の機能が利用できるようになる。

 新たに提供されるiOS機能ではユーザーが業務用「Googleアカウント」にサインイン、または切り替えた際に、業務関連のブラウジングデータが個人のブラウジングデータとは分離される。この仕組みにより、閲覧履歴やタブ、パスワードなどのローカルデータは管理対象アカウント内にのみ保持される。また、ユーザーが初めて業務用アカウントにサインインまたは切り替える際には、データの分離に関する説明画面が表示され、管理対象環境と明確に伝える確認画面も設けられている。

 Chrome Enterpriseのセキュリティ対策もモバイル用に拡充されている。AndroidおよびiOSの両プラットフォームにおいて、IT管理者がデータ流出を防止するための高度な管理機能を適用できる。Google Chromeのログや「Google Admin」コンソールのセキュリティ調査ツール、SIEM(Security Information and Event Management)システムに対し、Webブラウザで発生したセキュリティイベントの情報を送信できるようになった。

 加えてこれまでデスクトップおよびAndroid用に提供されていたURLフィルタリング機能がiOSにも対応した。これにより、許可されていないWebサイトへのアクセスを制限し、あらかじめ指定されている業務用サービスへのリダイレクトを実行することで、不要な生成AIの利用などを防ぐ措置を講じられる。

 「Chrome Enterprise Premium」ではプラットフォームを問わずより多くのセキュリティ機能が提供されている。初期導入は「Chrome Enterprise Core」を使って無償で開始でき、より高度な保護機能については専門担当者との相談の上で導入する構成となっている。

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