大手広告主100社を対象とした調査から、広告業界における生成AIの活用実態と将来展望が明らかになった。AIが特に浸透しているクリエイティブ領域はどこだろうか。
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AIが人間の仕事を奪うのではないかという議論が盛んな中、広告業界では既に生成AIが深く浸透している。
調査では、大手広告主の54%がAIを継続的に活用し、さらに半数以上が3年後にはAIが人よりも制作の主体になると予測している。AIが特に浸透しているクリエイティブ領域とはどこだろうか。
サイバーエージェントは2025年9月3日、大手広告主企業のクリエイティブ制作における生成AI利用に関する実態調査の結果を公表した。同調査はデジタルインファクトと共同で実施され、日経広告研究所「有力企業の広告宣伝費2024年版」に収録されている企業(グループ会社を含む)100社のデジタル広告出稿担当者を対象に実施された。
調査によれば、近年のクリエイティブ制作物の増加を実感している担当者は全体の69.0%に上り、とりわけ広告用動画においては86%が「増えた」と回答した。インナーバナーや広告バナー、SNS投稿用素材に関しても8割前後が増加を指摘しており、全体の59.0%が今後3年間で制作量が拡大すると見込んでいる。
生成AIの活用状況については、全体の54%が「継続的に活用している」と回答した。具体的な用途は「アイデア出し」が84.4%で多く、次いで「コピーやテキストの自動生成」が68.8%、「画像やイラストの生成」が51.6%となった。現時点では利用していないとする回答者の中でも78.3%が「今後は活用したい」と答えており、生成AI導入の裾野は広がっている。
3年後のクリエイティブ制作におけるAI活用レベルに関する将来の見通しについては、バナー広告や動画広告では半数以上が「人よりもAIが主体になっている」と予測している。静止画だけでなく、SNS投稿動画や紙媒体においても約半数が同様の回答を示しており、広告制作の現場におけるAIの役割はいっそう拡大するとみられる。
サイバーエージェントはこうした動向を背景に、2024年12月に「AIクリエイティブBPO事業」を立ち上げた。企業ごとの課題に応じた独自のAI設計と専門チームの組成を組み合わせることで、広告をはじめとする幅広い制作業務における量・質・スピードの向上を図り、制作コストを最大50%削減することを目標としている。
同社はクリエイティブ制作の効率化と品質安定化を両立させる持続可能な体制の確立を進め、企業の競争力向上に資する取り組みを継続する方針を示している。
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