OpenAIとハーバード大学の調査チームは、ChatGPTの利用実態調査の結果を公開した。150万件の会話データから、利用者層ごとの使い方の特徴が明らかになった。
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OpenAIとハーバード大学の経済学者は2025年9月15日(米国時間)、OpenAIの「ChatGPT」の利用実態を調査した結果を発表した。同調査はプライバシーに配慮した形で150万件の会話データを解析したもので、その結果は全米経済研究所(National Bureau of Economic Research)がワーキングペーパーとして公開している。
同調査によると、ChatGPTの利用者数は同サービスが公開された2022年11月から増加しており、アクティブユーザー数は週7億人だという。性別による利用者数の変化を見ると、2024年1月時点では女性的な名前を持つ利用者は37%だったが、2025年7月には52%に達した。OpenAIによると、低所得国や中所得国での利用者数は増加の一途をたどっており、低所得国におけるChatGPTの導入率は、2025年5月時点で高所得国の4倍以上に達したという。
ChatGPTを利用する目的を調査した結果、利用目的の約30%は業務関連、約70%はプライベートなタスクの遂行だった。各カテゴリーともChatGPTの利用時間は増加し続けており、ChatGPTが業務生産性の向上だけでなく、利用者の日常生活における価値創造の一助となっている実態が明らかになった。
会話データからは、ChatGPTの利用方法を大きく以下の3つに分類することができた。
業務関連での利用においては、特に高学歴で高所得の専門職に従事する利用者ほど、「Doing」よりも「Asking」を多用する傾向にあることが分かった。米国労働省が支援する職業情報ネットワーク(O*NET)を使った分析では、業務関連の会話の81%が「情報の収集、文書化、解釈」と「意思決定、アドバイスの獲得、問題解決、創造的思考」の2つに集中していた。
調査チームは調査の結論として、「知識集約型の職業においてChatGPTが意思決定や問題解決の生産性を高めるための助言者として経済的価値を生み出している」と説明している。
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