若年人口が減少する中で、優秀な人材をいかに確保するかが課題になっている。矢野経済研究所によると、新卒採用支援サービス市場は拡大基調にある。AIはこの市場をどう変えているのか。
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若年人口が減少する中で、優秀な人材をいかに確保するかが課題になっている。調査会社の矢野経済研究所によると、当面は新卒採用における学生優位の「売り手市場」が続き、企業の採用意欲は高水準が継続する見込みだ。
同社によると、2024年度における新卒採用支援サービス市場規模は前年度比5.1%増の1466億円だった。企業の採用活動が活況で各種支援サービスへのニーズが高まったことや、採用活動の早期化、長期化が背景にある。同市場規模は2026年度には1602億円に達する予測だ。
市場の拡大とともに、採用支援の現場ではAIを活用した機能やサービスの導入が広がっている。サービス事業者と、学生や求人企業はそれぞれどのようにAIツールを活用しているのか。
まず、サービス事業者は、学生向けに生成AIを用いた自己PRやエントリーシート(以下、ES)の作成支援、面接練習機能を提供している。求人企業向けとしてはスカウト文の作成支援などにもAIが導入されている。求人情報と学生のマッチングにAIを使って精度を高める事例も見られる。
学生はESや履歴書の作成、企業・業界研究にAIツールを活用する動きが一般化している。求人企業は、スカウト文面や求人票の作成など事務作業の効率化を目的としたAI導入を進めている。
AIなどのデジタル技術の普及は、新卒採用支援サービスの提供価値向上に貢献している。一方で、学生や求人企業の就職活動や採用業務の効率化、省力化によって、新卒採用支援サービスに対するニーズを低下させる可能性もあると、矢野経済研究所は指摘する。「新卒採用支援サービスには、AIツールでは代替できない介在価値が求められる」というのが同社の提言だ。
2025年度の市場規模は前年度比4.9%増の1537億6000万円を見込んでいる。当面は売り手市場が続き、企業の採用意欲の高まりも続くことから、市場は拡大を続けると予測される。ただし長期的には、少子化による学生数減少によってサービス提供機会が縮小する可能性もある。矢野経済研究所は、「将来的な成長率は鈍化する」と予測している。
今回の調査における新卒採用支援サービス市場は、大学生(短大生、大学院生を含む)の採用時に利用されるサービスを指す。具体的には就職情報サイト、イベントやセミナー、新卒紹介サービス、新卒採用アウトソーシング、新卒採用アセスメントツール、内定者フォローサービス、新卒向けダイレクトリクルーティングサービスの7市場が含まれる。
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